ざっくり言うと…
・「若年無業者白書」プロジェクトが、8時間で35万円の調達を達成
・リターンに強い商品的な魅力があるわけではない
・スピード調達の鍵は主催者が蓄積してきた信頼資本にある
ものすごい勢いで目標達成してびっくり。
若年無業者白書-その実態と社会経済構造分析-(工藤啓) – READYFOR?
8時間で目標達成
若者の雇用問題などに取り組む「育て上げネット」が「若年無業者白書」の制作資金をReadyfor?上で調達しています。
これ、何がすごいって、目標額の35万円をわずか8時間で達成してしまったのです。
公開から8時間で目標金額を達成いたしました。「引換券」を購入してくださった方、拡散応援してくださった方々に御礼申し上げます。その後も応援してくださる方は増えており、プロジェクト終了まであと59日間引き続き社会投資家を募っていきます。 readyfor.jp/projects/under…
— 工藤啓さん (@sodateage_kudo) 2013年3月13日
プロジェクトのリターンは、高い商品価値があるわけではありません。国内最高額を記録した「ハーブ&ドロシー」と違い、これらのリターンを普通に商品として購入したい!と感じる方はそう多くはないでしょう。
商品の魅力が爆発的に高いわけではないのに、超短期間で目標金額を達成できた。その理由は、「育て上げネット」と代表の工藤さんが蓄積してきた信頼・評価にあるのでしょう。
ぼく自身も工藤さんにはお世話になっている人間でして、このプロジェクトを知ったとき、「お、じゃ資金提供しておこう」と反射的に考えてしまいました。もはやリターンやプロジェクト概要はチェックしていません。好きなミュージシャンの新作が出たときのような買い方ですね。
応援コメントを見ても、もともと工藤さんとつながりがある方が多く出資している印象ですね。
評価・信頼があれば価値を得られる、というのは「評価経済社会」を思い出す現象です。クラウドファンディングは評価資本を換金するインフラともいえそうですね。
商品的な魅力が薄いプロジェクトをクラウドファンディングで資金調達する場合は、評価資本の多寡が問われる、とも考えられます。もしも、工藤さんが人間的に最悪な人だったら、このプロジェクトは失敗していたということです(もちろん工藤さんはすばらしい人格者です)。
クラウドファンディング的なものによって、今後も信頼資本の換金は進んでいくのでしょう。「正直者は救われる」社会になるわけです。否が応でも可視化される部分も多いですし、ある意味、残酷といえば残酷な時代なのかも。
なお、プロジェクトは引きつづき調達を継続しています。工藤さんからのメッセージが投稿されているのでこちらもぜひ。追加資金は多言語化、イベントの開催などに用いられる予定とのこと。
私の実家は、私が生まれる前から「宿泊/共同生活型」で、全国から
自立へのきっかをつかみに、青少年や若者が集まっていました。血のつながらない家族20名、30名と私は一緒に暮らしました。
仕事に就き、自立を果たせば自宅から出ていき、また新しい
お兄さん、お姉さんが増える生活は、「支援」という世界を知りようもない
年齢の私にとっては、悲しさと喜びが交錯する日々でした。
関連本。育て上げネットの活動と社会問題を知ることができる一冊です。売上は活動に寄付されるとのことなので、応援もこめてこちらもぜひ(ブックレビュー)。
僕が明日出させていただく書籍(amzn.to/W0iTUl ) の印税も全部、育て上げネットへ。 @takashi_kubota さんも奇跡の一本松保存へ。それだけではなくNPOの代表の書籍は法人を通じて社会課題の解決に回るなら、購入そのものが応援であり寄付な時代。
— 工藤啓さん (@sodateage_kudo) 2012年10月30日