震災の海外からの支援 最も印象に残る国は米・台・ブータン

野球の世界一決定戦・WBCの2次ラウンド1回戦が8日に行われ、日本が台湾を4-3で破った。試合自体は緊迫の展開が続く好勝負ではあったものの、ここで話題となったのが、多数の日本人観客が、台湾への謝意を表明したことにある。事前にSNSにて「台湾の人も多く観る試合だからこそ、感謝のメッセージを球場で掲げよう」といった呼びかけがされ、実際に日本人の観客たちがメッセージボードを作ったのだ(写真参照)。こうした様子は、台湾のテレビ局でも放映された。

東日本大震災の義援金で、台湾がケタ違いの250億円を寄付してくれたことは、友好国のありがたさを当時日本人に実感させてくれた。「トモダチ作戦」のアメリカなどとともに、台湾に対してネット上では多数の感謝の言葉が書き込まれた。

しかし、昨年行われた政府主催の東日本大震災の追悼式典では、野田政権(当時)が中国に配慮をし、国名を読み上げる「指名献花」に台湾の名前を入れなかった。今年は安倍政権が台湾の名前を入れることを明言し、政府としても公の場で謝意を示すこととなる。

そこで、震災からまもなく2年が経とうとしている9日、「海外からの震災支援で、もっとも印象に残っている国はどこですか?」と質問した。結果は以下の通り。

・アメリカ:30.6%
・台湾:25.7%
・中国:1.1%
・韓国:1.3%
・ブータン:6.0%
・ロシア:0.3%
・フランス:1.5%
・その他:2.7%
・特に印象に残っている国はない:26.6%

(リサーチパネル調べ、3万4526人が対象)

もっとも多かったのはアメリカの30.6%。米軍が被災地で活動する様は頻繁に報道され、同盟国の重要性を気づかせた。続いては台湾の25.7%。続々とネットで書き込まれる応援メッセージに加え、とにかく多額の義援金に当時、多くの日本人が感謝し、勇気を与えられた。3位のブータン(6.0%)は国王夫妻が被災地を訪れたことが影響した。

フランスは原発関係者が福島第一原発の事故を収束させようと来日したり、タイが火力発電を無償貸出すると申し出たり、ドイツの救助犬なども人々の印象に残ったようだ。また、コメントでは「国名は忘れたけど自国も貧しいのに必死に集めて送ってくれたというのを聞いたとき感動しました」のように、発展途上国からの支援に感謝する声も多数見られた。

それでは、大きな被害を受けた岩手・宮城・福島の人々が印象に残っている上位3ヶ国の割合を見てみよう。

【岩手県】
・アメリカ:44.1%
・台湾:19.9%
・ブータン:5.1%

【宮城県】
・アメリカ:42.9%
・台湾:25.4%
・ブータン:6.5%

【福島県】
・アメリカ:39.3%
・台湾:18.8%
・ブータン:9.2%

特徴は「アメリカ」と答えた割合が、他都道府県よりも高いところにある。米軍の活動をこの目で見た人の多さが、この結果に繋がったといえよう。

余談だが、冒頭の「台湾への謝意を示そう!」という運動は台湾にも知られるところとなった。日本戦では、1次ラウンドの台湾VS韓国戦で台湾ファンが作った過激なプラカード(金正恩・北朝鮮第一書記の顔写真を貼ったりしたもの)を出さぬよう呼びかけられた。そんなこともあり、この試合が政治色のない純粋なスポーツの対決として多くの人を感動させたのだ。

【関連リンク】

・海外からの震災支援で、もっとも印象に残っている国はどこですか?-リサーチパネル
http://research-panel.jp/rpdr/view.php?eid=242165

・緊急地震速報「役立っていない」が「役立っている」上回る
http://shunkan-news.com/archives/4830

・街頭の募金活動に寄付したいと思う人29.5% 最低値は東京都
http://shunkan-news.com/archives/4870

・地震への備え 「ほとんどしていない」は佐賀県民が最も多い
http://shunkan-news.com/archives/872

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