甲状腺有所見率調査結果(速報)について(おしどりマコ)
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委託先の学会にも再委託先の大学にも関係者
筆者は、環境省の担当者に取材を重ねた。
環境省から事業委託されたのはNPO法人日本乳腺甲状腺超音波医学会である。
ここには福島県の小児甲状腺エコー検査の責任者である、
福島県立医科大の鈴木眞一教授も理事として入っておられる。
実際に、この環境省の事業を現場で診察したのはどこか。
それは、環境省から事業委託された学会から再委託された、
各地域の国立大学の医学部、大学病院ということであった。
では、長崎県は長崎大学なのか、と聞くと
「そうだ、しかし、再委託された3大学は環境省と直接の契約関係に無いので、
これ以上言及できない、長崎大学は独自で公表しているので、
長崎大学についてだけは回答ができる」とのことであった。
しかし、検査地域で医学部を持つ国立大学は限られるので、恐らく
青森県弘前市→弘前大学
山梨県甲府市→山梨大学
長崎県長崎市→長崎大学(これは確認済み)
であると推測される。
長崎大学は、福島県で県民健康管理調査の座長である山下俊一教授の大学であり、
山下俊一氏は次期学長とも言われている。
このように、福島県での甲状腺調査に関連がある学会・大学が
環境省の調査に関わっていたのである。
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規制委員会の検討チームには当時者が
なぜ第三者による調査が必要か。
それはこの原発事故後の福島県の県民健康管理調査を、
監督・評価する部署が何も無いからである。
原子力規制委員会にて
「東京電力福島第一原子力発電所事故による住民の健康管理のあり方に関する検討チーム」
が立ち上がり、2月19日に最終回である第5回が終わり、提言が出された。
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kenko_kanri/
筆者は、この検討チームはほぼ取材した。
(欠席した第1回は代理の者が取材しそれ以外は全て傍聴した。)
議題が福島県民健康管理調査のことでありながら、
この検討チームの委員に福島県立医科大の大津留晶教授が入っているのが疑問であった。
大津留教授は県民健康管理調査の専門委員会の委員長でもあるほど、
県民健康管理調査に深く関わっているからである。
筆者は2月19日の第5回の検討チームの終了後、
原子力規制庁監視情報課の室石課長に質問した。
――この検討チームには県民健康管理調査の大津留氏が委員として加わっているが、
これは検討するための第三者委員会の意味合いではなかったのか?
室石課長「第三者委員会ではなく、有識者会議の意味合いです。」
――この検討チームは県民健康管理調査を議論し、最終的に提言を出したが、
大津留委員が第三者ではないので、自分で自分に助言をした、
自分で自分に提言を出した形になってしまうが。
室石課長「あーあのー、はい、見た目そうなっております、そういうことです。」
規制委員会での県民健康管理調査に関する検討チームも、
このような形なのである。