甲状腺有所見率調査結果(速報)について(おしどりマコ)
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福島県内では「無し」県外では「有り」
もう1点、懸念がある。
甲状腺エコー検査は、喉に機器をあて、甲状腺を目視で診察するのであるが、
検査する人間の経験や知識、主観によって左右されることがある点である。
A1判定は「結節やのう胞を認めなかったもの」
A2判定は「5ミリ以下の結節や20ミリ以下ののう胞を認めたもの」
医師によって、経験により「このサイズは何ともない」
というA1判定にいれる方もおられたり、
甲状腺エコー検査にかける時間によって、
極小のものが見つかったり見つからなかったりするのである。
筆者は、自主避難者や福島県民に取材を重ねている。
最近では、3月9日に長野県松本市、3月4日に大阪府大阪市に、
2月26日に福島県郡山市に行き、話を伺った。
すると、保護者5名から
「福島県では甲状腺は何もないと言われるが、県外で検査を受けると何か見つかる」
という同じ話を聞いた。
これは少数例なので一概には何とも言えないが、
県外で小児甲状腺エコー検査をしてくれる医師は、
ある程度被ばくの危険性を考えながら診断し、
県内の医師は大丈夫だと思いながら診断するせいなのかもしれない。
全く反対の診断をする医師もいるだろう。
そして、その保護者の方々に検査時間を聞いたが、福島県内では数分であったが、
県外で診断を受けると10分以上、検査時間がかかった、とも伺った。
前述の、エコー検査にかける時間によって、
極小のものが見つかったり見つからなかったりするのである。
比較するための参照群を評価するならば、
同じ技量、主観を持った同じ技師、医師が検査する必要があるのではないだろうか。
そして、福島県の調査と関係の無い技師・医師が、福島県と他地域を検査して、
評価するべきではないだろうか。