論文翻訳のチェックポイント(医学編)の最近のブログ記事

 

「論文翻訳のチェックポイント(医学編)」コーナー、久しぶりの記事更新です。

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英語論文にはさまざまな固有名詞が登場します。往々にしてそれらの頭文字は大文字で表記されていますが、普段何気なく目にする固有名詞の大文字表記について科学論文という見地から紹介してみようと思います。

先ずは固有名詞をいくつかのジャンルに分け説明致します。本記事では「地名」と「社会文化的名称」を取り上げます。

◆地名

都市、郡(区)、州、国、大陸、島、半島、海峡、水系(池・湖・海など)、山脈、通り、公園、森、峡谷、ダム、特定地域、地域などの公認名称および行政区の地名などの各頭文字は大文字にします。

〈例〉
the British Isles,   the Antarctic,   the Black Forest,   the Bay Area,   Central America,   the China Sea,   Cook Country,   Fifth Precinct,   Fisherman's Wharf,   the 43rd Ward Office,   the Great Lakes,   Green Mountains,   Gulf of Mexico,   the High Plains,   Hoover Dam,   Hudson bay,   the Iron Curtain,   Isle of Wight,   Kettle Moraine,   Kuril Islands,   Lake Erie,   the Loop[Chicago],   Mexico City(但し、Quebec city という例もあり),   Mississippi River,   New Trier Township,   New York City,   New York State(the state of New York とも表現される),   North Pole,   Pacific Ocean,   Province of Nova Scotia,   Rocky Mountain National Park,   Straits of Gibraltar,   Third World,   Tiananmen Square,   the 23rd Congressional District,   United Kingdom,   Upstate New York,   the West Coast


普通名詞は、固有名詞またはタイトルの一部として単数形では大文字表記されますが、複数形になると通常大文字では表記しません。

〈例〉
Mississippi and Missouri rivers,   Atlantic and Pacific oceans


地域の公認名称および地理名称の一部として用いられる場合は大文字表記にしますが、一般的な方角や位置を示す場合には正式名称の東西南北の方位は大文字にしません。

〈例〉
・He practices medicine in the Far East, in central China. His home is  east of Chongqing (Chungking) but not as far east as Wuhan.
・She is a westerner. She lives in the West, 15 miles west of Salt Lake City, Utah.
・Go due north, then northwest.

North Carolina,   Eastern influence,   North Korea
(但し、southern France,   northern Illinois,   south Florida,   northern California という例もあり)


東西南北の方位に由来する名詞および形容詞については大文字表記にすべきではありません。

〈例〉
midwesterner,   southern-style cooking

 

◆社会文化的名称

言語、国民、民族、政党、宗教および宗派と分派などの名称は大文字表記にします。これらの名称に続く一般名称、政治原則は大文字表記にしません。民族名称として white あるいは black を使用する場合も大文字表記にしません。

また、文化的多様性についての認識が高まってきている現代においては、さまざまな文化的集団について言及する際に用いられる用語に関して、それらに対する好みや受け止められ方が変化していっていることを感じとることが重要になります。過去数年間の時代や物事の受け止め方の変化につれて、例えば Black, Aflo-American, African American という語が文学に入ってきて支持されるように変わってきたことがあります。

〈例〉
the English language,   Southeast Asian community,   of Spanish ancestry,   Hispanic population,   Native American, Sanskrit,   Europeans,   the Jewish people,   a Baptist church(First Baptist Church とも表現される),   African American,   French people,   Chirichahua Apache,   Protestant

最後に使い分けをわかりやすくした文章の例を紹介します。
・Although he has been a member of the Republican party for years, at one time he was a Democrat. He nonetheless has always endorsed the principles of democracy in our republican form of government. He is democratic in his attitudes toward social equality.

 

次回は、事件、授賞、法律などの固有名詞を取り上げます。

 

 

論文では丸カッコのほか角カッコも使われます。引用文への挿入、丸カッコの中の文章にさらにカッコを使う場合、数学の公式の場合などです。翻訳の上でも丸カッコと角カッコの使い分けを知っておくことは大切です。それぞれのケースについて例文などを見てましょう。


引用文への挿入

引用されている資料の中に訂正や説明、あるいは批評を入れるために角カッコが使われます。

(英語の例文)

  • "Enough questions had arizen [these are not described] to warrant medical consultaion."
  • "The following year [2008] was a turning point."


丸カッコの中の文章にさらにカッコを使う場合

カッコの表現の中で、さらにカッコの表現を示すのに角カッコを使用します。他にも科学系の文章では、カッコ内にカッコと角カッコが続いて出てくる複雑なカッコ構造がたびたびでてきます。

(英語の例文)

  • A nitorogen mustard (mechlorethamine [Mustargen] hydrochloride) was one of the drugs used.
  • Her plattelet count was 100 X 109//L (100 000/mm3)(reference rang, 150 to 450 X 109/L [150 000 to 450 000/mm3]


数学の公式の場合
公式のカッコ使いはもちろん投稿する雑誌の指針に従う必要がありますが、カッコあるいは角カッコのどの表現も前カッコと後ろカッコあるいは角カッコ記号を確実に付けて、カッコと角カッコだけを用いることが多いように思えます。

(英語の例文)

  • The equation suggested by this phenomenon (t=d[r1-r2]) can be applied in a variety of circumstances.
  • An experimental drug (9-[2-hydroxy-1-(hydroxymethyl)ethoxymethyl)]guanine) was used to treat the cytomegalovirus retinopathy in patients with AIDS (雑誌名. 2007;104:1794-1800).

 

 

 

「論文翻訳のチェックポイント」コーナーの記事として、次は『アポストロフィ』を紹介します。

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アポストロフィ( ' )は英語論文を翻訳する上できちんと把握しておかなければならない用法の一つです。所有格、複数形、所有形容詞などでアポストロフィを用いる場合、どのような点を注意しなければならないかをご説明します。


所有格を表す場合
名詞および不定代名詞の所有格を表す場合はアポストロフィーを用います。

〈英語例文〉
一人の人を指す場合:Mark's bones
二人以上の人を指す場合: the Marks' bones

単数あるいは複数でもその語がsで終わらない英語の場合は、所有格にアポストロフィ+s('s)を付けます。
a child's wants, everyone's answer, men's concernsなど

固有名詞あるいは名前が発音されないs,z, xで終わる英語の場合は、アポストロフィ+s('s)を加えて所有格を作ります。
Marx's theories, Pres's workなど


所有代名詞
所有代名詞(his, hers, ours, its, yours, theirs, whose)にはアポストロフィ+s('s)は使いません。

  • The car is hers. 
  • Give the book its due.


複合語の所有格

複合語の最後の語の後ろにだけアポストロフィ+s('s)を用います。

  • mother-in-law's hat
  • physician-in-chief's decision
  • someone else's book
  • secretary of health's ruling 


組織名など所有を示す場合

名詞、組織、あるいは会社名などとともに所有を示す場合は、名詞あるいは名称の最後の語においてだけ所有格を用います。

  • Food and Drug Administration's policy

また、所有が個々のものであるとき、名詞はそれぞれ所有格をとります。

  • We matched the infant's and mother's records.

但し、名詞の一つが所有代名詞である場合、その他の名詞も所有格をとります。

  • I presented the intern's and my workup. 


複数形を作るためにアポストロフィを用いる場合の注意点

名詞の複数形を示す場合はアポストロフィは用いません。また、限定している語が所有格でなく形容詞あるいは限定詞として用いられている組織名にもアポストロフィは用いません。但し、公式名が基本です。

The Chicago Cubs, Veterans Affairs, musicians union, state parks rangersなど。

すべてが大文字からなる略語あるいは数字(年度を含む)の複数形を作る場合もアポストロフィーを用いません。

ECGs, EEGs, IQs, WBCs, RBCs, A woman in her 40s, During the late 1980sなど。


所有形容詞としての時間および通貨の単位

所有形容詞として用いられる時間(分、時、日、月、年など)の単位については、アポストロフィ+s('s)を付けます。通貨も同様です。

a day's wait, an hour's delay, 5 day's hard work, a few hours' time, 6 months gestation, 2 cents' worth of adviceなど。


プライム符号

プライム符号(' :分、フィートなどを表す)をつける場合はアポストロフィーは用いてはいけません。プライム符号は測定記号としては用いません。

The methyl group was in the 5' position.

 

 

 

「論文翻訳のチェックポイント」コーナーの記事、前回のスラッシュに続いて、今回は丸カッコ "( )" を紹介します。

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論文では図や表、補助的な文章を補うため丸カッコ"(xxx)"がたびたび使われます。カッコは、読者に論文の文書内において特別な気づきをさせるための役割を担っています。また、カッコを使った文章の場合、句読点をカッコ内につけるのかカッコの外につけるのかといった注意点もありますので、それぞれのケースについてご紹介しましょう。


補足的な表現

カッコは前述したように補足的な表現、識別、読者への指示、あるいは翻訳を示すために用いられます。以下の例文は基本的によく使われるものです。

  • Asymmetry off the upper part of the rib cage (patient 5) and pseudoarthrosis of the first and second ribs (patient 8) were incidental anormalies (Table 3).
  • In this issue of THE JOURNAL (p 999), a successful transplant is reported.
  • A known volume of fluid (100 mL) was injected.

但し、カッコを用いた場合が良い場合とコンマを使ったほうが良い場合があります。


コンマのほうが良い場合
: The hemoglobin leve, although in the normal range, was lower than expected. といったようにカッコ書きの資料とその後に続く文との間に深い関係がある場合はコンマのほうが良いとされています。


カッコのほうが良い場合
: namely(viz), that is(ie), for exampl(eg) という表現の後にくる思考の関係が付随的なものである場合はカッコを使います。例文としては以下の通りです。
He weighted the advice of several committee members (namely, Suzuki, Yamada, and Tanaka) before making his proposal.


カッコを使ったときの句読点

基本的に列挙の場合を除いて、始めのカッコの前には句読点を用いません。どの句読点も終わりのカッコの後ろにつけますが、カッコの内容が文に割り込む場合はちょっと注意が必要です。

例えば、カッコの内容が文に割り込む場合は、ピリオド(.)、疑問符(?)、感嘆符(!)はカッコの前に置くことが多いのですが、これも文章の作り方によって多少異なります。以下の例文は似たような内容ですが、文章の作り方によってカッコの句読点が異なります。

  • The discussion on informed consent lasted 2 hours. (A final draft has yet to be written.) The discussion failed to resolved the question.
  • The discussion on informed consent lasted 2 hours (a final draft has yet to be written) and did not resolve the question.
  • After what seemed ann eternity (It took 2 hours!), the discussion on informed consent ended.

また、カッコの中にいくつかの文を含む場合は、最後の句読点は後ろのカッコの前に置きます。

  • Oscar Wilde once said (When? Where? Who knows? But I reead it in a book once upon a time, hence it must be true.) that "anyone who has never written a book is very learned." 


識別のための数字/文字

数字や文字によって識別される項目が、論文の中で後で記述されるときはその文字や数字はカッコに入れます。

  • You then follow (3), (6), and (7) to solve the puzzle.

但し、カテゴリー名が代わりに用いられるときは、"Steps 1, 2, and 3 must be done slowly."といったようにカッコを用いる必要はありません。

また、文章の中で短い列挙をする場合は数字や文字はカッコで閉じます。

  • The patient is to bring (1) all pill bottles, (2) past medical records, and (3) our questionnaire to the first office visit.


参考文献

本文に出てくる参考文献についてはカッコ内に記載します。

  • The case was originally reported in the Archives of Surgery (1974;157:256-258).

図の説明文

図の説明文などで症例や患者の合成図の部分部分を識別するのに用いることができます。日付などもカッコの中に入れます。

  • Figure 6. Facial paralysis on the right side (patient 3, March 14, 2005).

顕微鏡写真

関係のある倍率や染色法もカッコに入れます。

  • Figure 3. Marrow aspiration 14 weeks after transplantation (Wright stain, original magnification X 600).

商品名

論文著者が薬剤あるいは機器に商品名を書くときは、本文および抄録において一般名および初めて使ったすぐ後で商品名をカッコ書きにします。

  • Treatment included oral administration of indomethacin (Indocin), 25 mg 3 times a day. 


略語

論文本文で5回以上用いられるときは、まず正式名称で記述した後すぐに省略形をカッコ書きにします。


注釈脚注

カッコの中の文は一つのまとまった見解ですが、本文に対しては単なる挿入的なものなので、最後の句読点は終わりのカッコの前につけます。

また、カッコの中でさらにカッコ内の表現をしたい場合は、中のカッコは角カッコにします。
(xxxxx [bbbb] xxxx.)


複数形

単数あるいは複数を示すとき、複数の可能性を表現するのに、"s"あるいは"es"とともにカッコを使います。この表現を使う場合は、動詞は単数形を使うことに注意しなければなりません。

  • The name(s) of the editor(s) of the book in rerference 2 is unknown.

 

 

 

本ブログの「論文翻訳のチェックポイント」 コーナー、久々の記事更新です。

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スラッシュ( / )は、論文で多く使われる斜めの線です。このスラッシュは、per, and, orなどを意味し、構成要素を分けるために用いられます。どのような場合に用いられるか、それぞれのケースについての注意点を見てみましょう。


(1)同等性あるいは二元性を表す場合


同等性:二つの語や表現が同じ重みを持っていてその二つの語の間でandの意味を表したい場合はスラッシュを用いることができます。

  • 同等性の英語の例文⇒One needs a  hot/cold environment in which to carry out the expriment.

二元性:下記のような例文ですと、前の文章ですでにHiroshi and Yumiとしているので、このような二元性の問題が生じる場合はスラッシュを使わずorなどを使います。

  • 二元性の英語の例文⇒Hiroshi and Yumi said they are coming. Now I need to know whether he or she will be bringing the extra chairs.(但し、よりよい文章表現としては、Now I need to know which of them will be bringing the extra chairs.のほうが望ましい)


(2)per(当たり)を意味するのに用いる場合

 「~当たり」を表す文章にもスラッシュが使われますが、このperを表す構文においては以下のような条件があります。

  1. その文に測定単位(時間を含む)を伴う
  2. 少なくとも一つの要素が特定の数量を含む
  3. そのすぐ隣にある要素が特定の数量あるいは測定単位のいずれかである

     英語の例文

  • The hemoglobin level was 140 g/L.
  • The  CD4+ cell count was 0.20 X 109/L(200/uL).
  • Blood volume was 80 mL/kg of body weight.
  • Respirations were 60/min; pulse rate was 98/min.


以下のような場合、スラッシュは用いるべきではありません。

  1. 前置詞句が二つの要素の間にある
  2. いずれの要素も特定の数量を含まない
  3. 非技術的な表現の構文

     英語の例文

  • 5.3 mmol of potassium per liter
  • expressed in milliliters per minute
  • 2 days per year


(3)その他スラッシュを用いる構文(日付・方程式・略語にした項目の比を表す場合)

  • スペースを節約するため、表や図の場合だけ日付を表すのにスラッシュを用いることがあります。
  • 同じ行に並べられ、センタリングされているのではなく、本文に組み込まれ、区別されている方程式の場合は、分子と分母を分けるのにスラッシュを用います。
  • 略語にした項目の比を表す場合、スラッシュが用いられる場合があります。例えば、the SUN/Cr ratio was greater than 10:1.というような場合です。この種の構文は、ハイフンを使って表現する場合もあります。ハイフンの場合は、the serum urea nitrogen-creatinine ratio was greater than 10:1.というように、略語を使用しない場合に使用します。

 

 

 

範囲・寸法を表す
名詞の前の修飾語として寸法を表すときにハイフンを使います。名詞の前の修飾語として用いない場合と2つの表現を見比べてみましょう。翻訳においてこの使い分けは大切なポイントですが、ハイフンを使いこなすには経験が必要です。注意が必要なのは、本文では範囲を表すのにハイフンを使わないようにしましょう。

修飾語として用いる場合の例文

  1. in a 10-to 14-day period
  2. a 3 x 4-cm strip
  3. a 5- to 10-mg dose
  4. in a 5-, 10-, or 15-mg dose
  5. a 3-cm-diameter tube

修飾語として用いない場合の例文(上記例文対象となっています)
  1. 10 to 14-days' duration
  2. a trip measuring 3 x 4 cm
  3. a dose of 5 to 10 mg
  4. a dose of 5, 10, or 15
  5. a tube 3 cm in diameter

最初に「本文では範囲を表すのにハイフンを使わない」といいましたが、もちろん例外もあります。
本文中でハイフンを使ってよい内容
  • 会計年度
  • 学年度
  • 寿命
  • 研究機関
  • カッコ中の範囲


ハイフンを使わない用語
(1)接頭辞
ante-, anti-, bi-, co-, contra-, counter-, de-, extra-, infra-, inter-, intra-, micro-, mid-, neo-, non-, over-, pre-, post-, pro-, pseudo-, re-, semi-, sub-, super-, supra-, trans-, tri-, ultra-, un-, under-がつくものは基本的にハイフンを使いません。

但し、読みにくくなる可能性のあるものや不適切な綴りを避ける必要がある場合はハイフンを用います。例えば、co-op, co-payment, co-twin, intra-aorticなど。また、接頭辞anti-, neo-, pre-, mid-などの後ろにくる語が固有名詞あるいは数時の場合はハイフンを使います。

更に、midは、in the middle [of]という意味で切り離された語なので、このような意味で用いる場合はthe mid finger, hte mid Atlanticというようにハイフンを使わずに表現します。

(2)接尾辞
-hood, -less, -like, -wiseなどがつくものは基本的にハイフンを使いません。

(3)組み合わさった単語
一つの単位として一般に広く読まれ一般的な用語として使われるようになったものは、ハイフンをつかわずそのまま表現します。
birth control methods, public health officials, medical school students, social service agency, primary care shysician, lower extremity amputation, health care system, amino acid levels, low back pain, soft tissue mass, open heart surgery

(4)-lyで終わる副詞の後ろ
副詞は自身の後ろにくる名詞ではなく形容詞を修飾するので-lyで終わる副詞の後ろにはハイフンは使いません。
the clearly stated purpose, a highly developed species

(5)形容詞として用いられる化学化合物の名称
sodium chloride solution, tannic acid test

(6)地理的な固有形容詞
Central Americans, African American, Pacific Rim countries, Far Eastern customs, the Southeast Asia, Mexican America, Latin Americans

(7)ラテン語、非英語圏の語句
an a priori argument, per diem employees, prima facie evidence, postmortem examination, an ex offcio member, antebellum South, in vivo specimens, carcinoma in situ

(8)文字・数字が第2の要素である修飾語
grade A eggs, study 1 protocol, type 1 diabetes

(9)特殊な複合語
T wave, T sqare, T tube, B cell soft tissue mass
但し、誤解や不適切さをさけるためにハイフンを付けるものもあります。
T-shirt, B-cell helper Mann-Whitney U Test

複合語の職名
職務が組み合わさった職位はハイフンでつなぎますが、複合語の名称はハイフンではつなぎません。
secretary-treasurer, acting secretary, honorary chair

以上、ハイフンについていろいろなケースをあげましたが、ハイフンを付ける付けない用語については、最新版の雑誌(ジャーナル)の指針を確認するようにしてください。

 

 

 

ハイフン①でも述べたように、ハイフンは英語文章の中でたびたび使われるものですが、わかっている部分もあれば曖昧な部分もあるので、使ったり使わなかったり、人によっても変わる部分です。しかし、公式な論文翻訳においてはその使い方をしっかりと把握しておけば無駄のない文章を作ることができますし、また翻訳内容をチェックするのにも楽になります。

明瞭な文章にするためにハイフンを使用
誤解を生むような語、曖昧な表現になりそうな場合はハイフンを用います。
例えば以下の例文を見てください。ハイフンを付けるのと付けないとでは意味が異なります。

a small-bowel constriction(小腸の狭窄)
a small bowel constriction(腸の軽度の狭窄)

an old-car salesperson(中古車のセールスマン)
an old car salesperson(年老いた車のセールスマン)

man-eating plants(人食い植物)
man eating plants(植物を食べている人)

ハイフンでつなげないと意味が異なってしまうときは、接頭辞の後ろにハイフンを付けます。
re-treat, re-creation, re-formationなどがありますが、「retreatment」等に関してはハイフンは使わないようにします。retreatmentは語そのものが一つの単語として確立しており曖昧さがないのでハイフンは使いません。

ハイフンを使う用語としては、同じ母音を持つ2語、同じ子音を持つ3語など同じ文字の連続した組み合わせにならないように、接頭辞の後ろあるいは接尾辞の前で使われます。
semi-independent, hull-less, ultra-atomic, de-emphasize, intra-abdominal, bell-like
但し、例外があるので雑誌(ジャーナル)の最新の指針を確認してください。

接尾辞、接頭辞を含む複合修飾句の場合、曖昧な表現となるのを避けるためにハイフンを使うことがあります。
non-self-governing, non-group-specific blood, non-brain-injured subjects, manic-depressive-like-symptoms, non-English-language journals

 

 

 

日本語ではあまりハイフンを使って単語をつなげるということはしませんが、英語においてはハイフンは単語、接頭辞、接尾辞をつなぐ役目をするためたびたび使われます。従って、翻訳の上でもハイフンの使い方を把握しておかなければなりません。ハイフンの使い方をしっかりと身につけておくと、翻訳における文章の意味を明確に表現することができます。

次のような文をハイフンでつなぐとどのように表現できるか見てみましょう。

通常の英語の例文    

  1. methods of decision making      
  2. The work was the least read in the collection.
  3. The anastomosis was end to end. 
  4. Values were upper class.
  5. The suture material was low quality.
  6. The resolution was low density.
  7. ratio of albumin to globulin
  8. the test of Binet and Simon

ハイフンでつなげたときはどうなるでしょう?上記の番号対象になっています。
  1. decision-making methods
  2. least-read work in the collection
  3. end-to-end anastomosis
  4. upper-class values
  5. low-quality suture material
  6. low-density resolution
  7. albumin-globulin ratio
  8. the Binet-Simon Test
例文:No. 1,2
名詞の前にきて、名詞や副詞と一緒になって形容詞の働きをする分詞を含む複合語をハイフンにつなぎます。

例文:No.3
複合形容詞句は修飾する名詞の前にくるが後ろにこないときは複合形容詞句をハイフンでつなぎます。

例文:No.4-6
形容名詞複合句が別の名詞の前にきて、その名詞を修飾するが名詞の後ろにはこないとき、形容名詞複合句をハイフンでつなぎます。

例文:No.7,8
修飾する名詞の前にくるが、その後ろにこない場合、独立した修飾語として等位的に用いられる二つの名詞を組み合わせるのにハイフンを使います。

その他にも以下のような場合には単語と単語の間にハイフンを使います。論文翻訳においては必ず使われる部分ですので、例文を参照しながら確認してください。

  1. middle-, high-, low-のつく形容複合語
  2. 単数名詞として用いられる同等地位の二つの名詞
    (player-manager, author-critic, soldier-statesman, physician-poet)
  3. 前置詞を含む複合名詞
    (tie-in, tie-up, go-between, hand-me-down, locker-on)
  4. 最初の要素が数時である複合語がその修飾する名詞の前にくる場合
    (18-factor blood chemistry analysis, 2-way street, ninth-grade reading level, 1-cm increments)
  5. 名詞の前にくるか述語形容詞として後ろにくるかして等位的、あるいは相反する語として用いられる二つ以上の形容詞
    (the false-positive test results, false-positive, double-blind study, double-blind)
  6. 二つの要素が同じ重要性を持つ色に関する言葉
    (blue-gray eyes, blue-black lesions)
  7. 名詞の前にきても後ろにきても続く接頭辞のall-, self-, ex-で作られた複合語
    (self-assured salesperson, all-powerful ruler, self-respect, ex-husband)。
    但し、viceについてはつける場合とつけない場合があるので、公式な文章については雑誌(ジャーナル)の指針に従ってください。
  8. 接尾辞 -type, -elect, -designateからなる複合語
    (Hodgkn-type lymphoma, Valsalva-type maneuver, chair-elect, secretary-designate)
  9. 形容詞のcross- 
    (cross-country race, cross-city competition, cross-eyed cat)
    但し、crossbred, crosshatched, crossmatched, cross sectionはどはハイフンを使いません。使ってよいもの使わない方がよいものは最新の雑誌(ジャーナル)の指針を確認したほうがよいでしょう。
  10. 形容複合語とquasi
    (quasi-legislative group, quasi-diplomatic efforts)
  11. 固有名詞、大文字の語、数字、略語の前にくる接頭辞
    (anti-American demonstration, pro-Isreali forces, pre-AIDS era, pseudo-Christian, post-1945 clothing)
  12. 21から99までの複合数字、基数、序数を文の始めに文字で表現するとき
    (Thirty-six patients were examined.)
  13. 形容詞として用いられる分数
    (A two-thirds majority was needed.)
    但し、名詞として用いられている文字表記された共通分数はハイフンを使わない
    (Three fourths of the questionnaires were returned.)
  14. 二つ以上のハイフンでつないだ複合語が共通の語幹を持っているときは、最後の一つを除き、その語幹は省く。
    (first-, second-, and third-grade students, 10-, and 15-year-old boys,)
    一つの語として表されるハイフンでつないでない複合語の場合は、語幹は繰り返す。
    (Videocassettes and videodiscs were used in the presentation.)

 

 

 

コロンは日本語にも良くつかわれますが、英語の論文においては、思考の明確な小休止や中断を強く表し、二つの主節を分離する役目を持っています。すなわち、二つ目の節が一つ目の節を強調するための役割を持っているということです。英語の翻訳においてどのように使われるべきか例文などをあげてご説明しましょう。

例文1
We begin with a single tenet: all men are created equal.

コロンを使わない方が良い文章

  • 動詞(to beを含む)などを目的語や主格の述語名詞から切り離すためにコロンは使うべきではありません。例えば、The point is: do not insert.....という表現は好ましくありません。
  • becuaseやincludeの後ろにコロンをつけてはいけません。
引用あるいは列挙を導く
  • 公式の文章、長い引用を導入する場合はコロンを使用します。特に、引用符を使う場合は、最初の語を大文字にすることに留意してください。
例文⇒ XXX, Dr, chair of the committee, summarized:"The problems we face in developing a new vaccine are numerous."

  • thus, as follows, the followingのような先行句の後で列挙する場合にはコロンが有効です。
例文⇒ The solution inluded  the following: aaa, bbb, and ccc.

  • 二つ以上の文法上独立した文章がコロンの後に続く場合は、ピリオドで区切られた完全な文として扱われます。最初の語は大文字、小文字どちらでも有効です。
例文⇒ The following rules apply to manuscript preparation: (1) AAA. (2) BBB. (3) CCC.(4) DDD. (5) EEE.

数を表現するためのコロン
  • 聖書の章・節・数 Genesis 3:28
  • 時を表現する時間と分 at 6:50 AM
  • 数字の比 in a 2:1.5 ratio
参考文献
すでに参考文献の章でご紹介していますが、参考文献では以下の部分でコロンを用います。
  • タイトルとサブタイトルの間
  • 雑誌に関しては巻とページ数の間


論文において長く複雑な項目を列挙する場合や独立した節を分離するときなどにセミコロンはよく使用されます。日本語ではあまり使われませんが、日本語から英語に翻訳される場合にはその使い方を知っておく必要があります。

文が短い場合は、コンマで十分ですが、主節が長く、等位接続詞(and, but, or, nor, for, so, yet)や接続副詞(also, besides, furthermore, then, however, thus, hence, indeed, yet)でつながれており、節の一つが句読点を含む場合はセミコロンを使います。

独立節を分離する
接続語が使われていない文章で、重文の中の独立節を分離するのにセミコロンを用いますが、この場合はセミコロンよりピリオドを使って二つの文章にしたほうがすっきりすることが多いといえます。
セミコロンを使う場合の例文を見てみましょう。

英語の例文⇒ The conditions of 50% of the patients improved greatly; 5% of the patients withdrew from the study.

等位接続詞や接続副詞を使う場合

これらでつながれた主節の間で、その節の一つがその中に句読点を含むか、かなり長い場合はセミコロンを使います。

英語の例文⇒
  • The word normal is often used loosely; indeed, it is not easily defined.
  • The patient's fever had subsided; however, his condition was still critical.

列挙
長い列挙項目を表す場合にはセミコロンが有効です。

英語例文⇒
A number of questions remain unresolved: (1) whether beverages that ...; (2) whether such beverages can ......; and (3) whether their arrhythmogenic ....

句読点を含まない、単に同種類の語が列挙されている場合はコンマのほうが有効です。

セミコロンはコンマより思考を示すうえで確固とした区切りを表します。一般にセミコロンは二つの独立した節を分離するのに用いますから、基本的には頻繁に使用するものではなく、長い列挙項目がある場合に使用すると覚えておけばよいでしょう。




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