政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)は6日、産業の新陳代謝を促し、成長産業に人材を移す対策の議論を始めた。民間議員が解雇ルールを法律で明確にするよう求めたのに対し、田村憲久厚生労働相は日本は解雇が容易な米国と雇用形態が異なるなどとして慎重な姿勢を示した。
今回は少人数の民間議員と政府側が特定の課題を議論するテーマ別会合。「産業の新陳代謝の促進」「人材力強化・雇用制度改革」の2分野で、15日の本会議で省庁側と民間議員が改革案を持ち寄り、方向を詰める。
民間議員は「淘汰が進まず過剰な企業が国内で消耗戦をやっている。雇用問題の制約も大きい」と産業構造の問題点を指摘し、企業再編を促す税制優遇や公的支援ルール策定を求めた。また厳しい解雇規制には「合理的なルールを法律で明確にすべきだ」と主張。従業員を解雇せずに一時的に休業させた企業を国が支援する雇用調整助成金の見直しも求めた。
厚労相は「職務を決めて採用する米国と異なり、日本は転勤があり、様々な職務をこなし、労働者に(長期雇用の)期待がある」と指摘。現行ルールの変更には言及しなかった。職務を限定した正社員が増えれば「色々変わってくる」と述べ、民間の雇用形態しだいで解雇の難しさも変わりうるとの認識も示した。
民間議員はこのほかハローワークの民間開放を進めることや社外取締役の拡大を提案。女性の活躍の場を広げるため、保育所の待機児童対策の強化なども求めた。
安倍晋三、田村憲久、解雇ルール
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