2013.3.13 05:01

阪神・マートン、V撃二塁打!燕キラー健在(2/2ページ)

6回 安打を放つ大和 =甲子園球場(撮影・鳥越瑞絵)

6回 安打を放つ大和 =甲子園球場(撮影・鳥越瑞絵)【拡大】

 燕ハンターが本領発揮だ。押せ押せの流れに乗り、痛烈な打球が左翼手の頭上を越えた。マートンの決勝適時二塁打が「3・29」開幕の前哨戦白星を呼び込んだ。

 「みんな打っていたから、みんなに負けないようにね」

 2点ビハインドで迎えた六回だ。大和から福留までの4連打で2-2の同点となり、なおも無死一、三塁で「6番・左翼」のマートンが打席に。新生猛虎打線が噴いた火はヒットメーカーにも当然、引火した。初球を叩くと、強い打球が左翼手の後方まで飛んだ。三走が生還し、圧巻の5連打で逆転となる3点目だ。

 2打数1安打1打点。オープン戦7試合では打率・444(18打数8安打)、3打点となった。水谷チーフ打撃コーチも「きょうは良かったね。タイミングの取り方が合ってきた」。2010年、11年の2年連続最多安打男が、開幕を前に早くも量産態勢に入っている。

 ヤクルトは来日当初からの“お得意さま”だ。10年には対ヤクルト24試合で打率・462(106打数49安打)、4本塁打、25打点と大暴れ。3年間の通算も67試合で打率・413(269打数111安打)、8本塁打、49打点と容赦ない。

 だが、昨季は神宮が鬼門となった。緩慢な守備で関川外野守備走塁コーチ(当時)と口論に。翌日緊急帰阪し、2軍暮らしとなった。「今までの現役生活の中で経験したことのないようなことが起こった」とブログで振り返るほど、悪夢のシーズンの象徴となったが、この日はその守備でもみせた。

 三回無死では左中間へ抜けようかという飛球を腕をいっぱいに伸ばし、ランニングキャッチ。和田監督も「去年までは捕れていたかな、という当たりだったが、今年は足も動いている。集中力がある」と評価する。

 今季から専従となる左翼は、当人も「ずっとキャンプから守ってきたから、だいぶしっくり来てるよ」。苦楽を味わった“ツバメの巣”からマートンが最高のスタートを切る。 (長友 孝輔)

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