六回、福留の適時打で本塁へ果敢に突入したコンラッド(撮影・中川春佳)【拡大】
(オープン戦、阪神6-4ヤクルト、12日、甲子園)ブルックス・コンラッド内野手(33)は福留の適時打で二塁から、“ぶちかまし精神”で本塁生還。前日11日の相撲観戦で得たヒントをさっそく実戦披露した。
ブチかましにいった。ホームに立ちはだかる捕手・中村へ、コンラッドは体をかがめて“突入体勢”に入った-。
「福留さんの打球が速かったから、クロスプレーになると思った。吉竹さん(三塁ベースコーチ)が回したので、とにかくセーフになることを第一に考えたよ」
2点を追う六回。無死一塁で増渕から右前打を放って出塁。さらに無死満塁となって、打席に福留。鋭い右前打に、二塁から一気にホームを目指した。前日11日、大興奮で生観戦した大相撲の立ち合いが浮かんだか。ただ、返球は三塁側にそれ、ベースを離れた中村と接触。一回転すると、タッチをかいくぐり左手で同点ホームを触った。
「最終的には捕手がよけたけど、何とかセーフになってよかったよ」
もし正面からブチ当たっていたら…。捕手にとっては、返球がそれたことが命拾いだったかも。直後の守りから退くと、泥まみれでベンチ裏から現れた。
「けがさせようとしているわけじゃない。チームとして点をとらないといけなかったからね。スライディングできる状況ならスライディングをするよ。でも捕手がブロックしていて、滑り込むスペースがないときは、当たっていくしかない」
元メジャー、そしてファイターの名に恥じないスピリット。吉竹コーチも「アグレッシブでいい走塁を見せてくれたね。セーフになれば勢いがつくから」とうなずいた。
守備では失策もあり、最初の2打席は左腕・村中の変化球に右打席でいずれも空振り三振に倒れた。「いい投球をされると打つのは難しい」と頭をかいたが、3月29日、開幕の相手ヤクルトに、“宣戦布告”してみせた。 (堀 啓介)
(紙面から)