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元派遣社員を正社員と認める判決
3月13日 18時34分

元派遣社員を正社員と認める判決
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自動車メーカーのマツダが、山口県の工場で、法律の限度とされている3年の派遣期間を超えた派遣社員を一時的に直接雇用したのち、再び派遣契約に戻す方法で長期間働かせていたことについて、山口地方裁判所は、「派遣労働を常態化させないという法律の根幹を否定するものだ」と指摘し、この方法で働いていた派遣社員を正社員と認める判決を言い渡しました。

この裁判は、自動車メーカー、マツダの山口県防府市にある工場で、最大5年7か月働いたあとリーマン・ショックの影響などで雇い止めをされた元派遣社員たち15人が、「実質的に正社員として継続雇用されていたのに不当だ」と訴えていたものです。
国の指針では、法律で3年が限度とされる期間を終えた派遣社員を再び同じ職場に受け入れるには、前回の派遣労働終了から3か月より長く空けることを義務づけています。
ところが、マツダでは平成16年以降、この3か月間だけいったん直接雇用し、その後、再び派遣社員に戻す方法で、長期間同じ職場で働かせていました。
13日の判決で、山口地方裁判所の山本善彦裁判長は、「マツダの方法は熟練した派遣社員の長期的な確保を目指したもので、派遣労働を常態化させないという法律の根幹を否定している。形式的な体裁は整えているが、実質はもはや労働者派遣とは言えない」と指摘し、原告のうち13人を正社員と認めました。

原告団長「心から感謝」

マツダ防府工場で派遣労働者として3年余り働き、5年前に解雇された原告団の西義広団長は「みんなと一緒になって心から感謝します。一時はうつ病のようになって誰も信用できない状態もありました。みんなから励ましの言葉をもらい最後まで戦い続けることができました。ありがとうございました」と話していました。

原告団の弁護士「画期的判断」

原告団の内山新吾弁護士は、「私たちの主張を全面的に認める画期的な判断となった。誇りやものづくりの喜びを感じながらやってきた労働者の心の底からの怒りに裁判所が目を向けてくれた」と述べ判決を評価しました。
そのうえで、「マツダは、製造業での派遣労働が解禁されたことをきっかけに、都合が悪くなればいとも簡単に切ってしまうようになった。こうした判決が広がることで、派遣を恒常的に使うことができないようになるはずだ」と話しました。

マツダ「主張認められず遺憾」

判決についてマツダは「当社の主張が認められなかったことは遺憾だ。判決の内容を検討したうえで今後の対応を決めたい」とコメントしています。

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