九州新幹線鹿児島ルート(博多-鹿児島中央)は12日、全線開業から丸2年を迎えた。JR九州(福岡市)がまとめた2年目の利用実績(2012年4月~13年2月中旬)によると、博多-熊本の利用者は1日平均2万4800人と前年同期を1%上回り、開業前に設定した目標の2万5千人に迫った。
同社は「開業ブームによる観光利用は一段落したが、近距離の利用など、新幹線が生活の足として定着してきた」と分析している。
開業前の在来線特急時に比べると、博多-熊本は約40%の伸び。北部九州豪雨の影響を受けた昨年7~8月は落ち込んだが、前半の4~6月が好調だったほか、12月以降も回復基調にある。
特に12年度は、博多駅の専門店街「アミュプラザ博多」の買い物券をセットにした博多-熊本の割引切符や、博多から近距離の割引回数券の導入が利用を後押ししたという。
一方、熊本-鹿児島中央の利用者は1日平均1万3600人と3%下回った。開業初年度が当初目標(40%増)を大きく上回る65%増だったことから、その反動もあって伸び悩んだ。
博多-熊本の乗車率は、新大阪直通列車が増えたことで平均40%(前年42%)だった。列車別では、新大阪直通で最速の「みずほ」が49%(同56%)、新大阪直通「さくら」が53%(同61%)、各駅停車の「つばめ」は29%(同28%)だった。
通勤・通学定期の利用者(1月末時点)は全体で約8%増えた。熊本-博多は約20%増の約600人、新水俣-熊本は約30%増の約130人に伸びた。新玉名-博多は約100人、新八代-熊本は約60人で、ほぼ同じだった。(九重陽平)
「くまにちコム」に掲載の記事、写真等の無断転載は禁じます。著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。
Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun