震災から2年 放射性物質に汚染された地域の除染は進まず
東日本大震災から2年。東京電力福島第1原発事故により、放射性物質に汚染された地域の除染は、遅々として進んでいない。
2011年3月の原発事故により、放射性物質が飛散し汚染された地域では、土や草木、住宅などから放射性物質を取り除く「除染」が進められている。
国は、福島第1原発周辺の楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町など、11の町と村について、「除染特別区域」に指定し、直轄で除染にあたっている。
しかし、環境省が3月8日に公表した2012年度の進捗(しんちょく)状況によると、この除染特別区域を含めて、福島県内で本格的に除染が進められているのは、田村市や楢葉町、川内村、飯館村の4市町村にとどまっていて、ほかの地域では、除染が難航しているという。
また飯舘村でも、農地と道路の実施率は0%となるなど、作業が大幅に遅れているという。
除染の遅れについて、環境省は「大雪の影響や、想定より作業量が膨大だったため」としている。
さらに、除染をめぐっては、最大2,800万立方メートルの汚染された土が出ると推定されている。
これらの汚染された土は、1kgあたり10万ベクレル(Bq)を超える放射性廃棄物と一緒に、2015年1月から中間貯蔵施設に搬入される予定。
この中間貯蔵施設は、双葉町、大熊町、楢葉町の3カ所に設置される見通しで、先週から現地調査が始まっているが、地元などの反対が根強く、建設が予定通り進むかどうか、不透明な状況となっている。