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【芸能・社会】

国分、乙武さん相性バッチリ 映画「だいじょうぶ3組」で共演

2013年3月13日 紙面から

 「五体不満足」で知られる作家乙武洋匡さん(36)の、教師体験を元にした小説を映画化した「だいじょうぶ3組」(廣木隆一監督)が、23日に公開される。補助教員・白石役で主演したTOKIOの国分太一(38)と、自身がモデルの教師役で俳優デビューを果たした乙武さんが本紙のインタビューに応じ、撮影で芽生えた深いきずなと、今後の共演構想までも語ってくれた。(石井知明)

 主役のモデルは自分。「手足のない俳優はいないんです」とプロデューサーに説得されて出演を決意した乙武さんだが、国分も驚く見事な演技派俳優っぷりだった。

 国分「落ち着いていてばたつかない。セリフが自然で、NGもほとんどない。ついていこう、と思いましたよ」

 乙武「セリフよりも、どんな感情かを覚えるようにしたんです」

 国分「すごい。次の映画があったら参考にします(笑)」

 一方、07年から3年間、東京都内の小学校で教壇に立った乙武さんは「国分先生」に感心した。

 乙武「教師経験があったのかと疑いたくなるくらい、子供との距離感の取り方が抜群に上手。からかったり、演技に悩む子に声をかけたり。いま教師をやっても素晴らしいクラスがつくれます」

 初共演でも相性バッチリ。「昔からの友達みたいって言われる」(国分)「一緒にいるとラク。気を使わずしゃべれる」(乙武)と笑い合う。

 乙武「僕が涙を流す場面は、本番前に感情を引き出す言葉を掛けてくれるんです。ラストの『ありがとう』と泣くところでは、『映画に描かれてない部分でも、2人でこのクラスを一緒につくってきたよね』って…。それでグワーッて泣くことができました」

 国分「初めてカメラの前で泣く難しさは経験がある。何とか助けてあげたかった」

 車いすの大富豪と、介護役の貧しい黒人青年のきずなを描き、日本でも昨年大ヒットした仏映画「最強のふたり」を連想させる名コンビだ。

 乙武「その作品の関係性とは種類が違うとは思うけど、今まで別世界の人だと思った『障害者』が、接してみると得意も不得意もだらしないところもあって、俺らと変わらないんだ、と気付いてもらえるところは共通していると思います」

 国分「機会があったら2人でトーク番組でも、とよく言われるんです。やってみたいですね」

 原作には続編「ありがとう3組」もあり、乙武さんは「この映画がヒットすれば…」と夢をふくらませるが、国分には気掛かりもあるようだ。

 国分「(刑事ドラマの)『相棒』みたいに、相棒だけがコロコロ変わっていくんじゃないかと。それだけが心配(笑)」

◆乙武さんの涙にホロリ

 何事にもくじけず明るいイメージの強い乙武さんだが、国分は「実は弱い部分もある」と思いやる。2月19日の完成披露試写会を終え、食事して別れた後に電話すると「国分さんありがとう」と号泣していたという。

 乙武さんは「お酒を飲んだこともあって、こんなすてきな友人ができたことがうれしくて涙が止まらなくなった」。国分は「弱い姿は絶対に見せないと思っていたから。僕が女性だったら、オチてるかも」といたずらっぽく笑っていた。

◆生徒と初対面に緊張

 映画の冒頭で2人が教室に入り、生徒と初対面する場面は、リアルな反応を撮るためリハーサルも行っていない。本番で初めて28人と顔を合わせ、自己紹介して黒板に名前を書く流れを一発OKさせた。

 国分は「子供の純粋な目に見つめられて、(TOKIOで何度もライブをしている)武道館で1万人の前でやってたのは何だったんだ、てくらい緊張しました」と振り返った。

 ◆あらすじ 松浦西小学校の5年3組の新担任に、生まれつき手足のない赤尾(乙武さん)が臨時教師としてやって来た。隣に補助教員として立ったのは、かつて教師だった幼なじみの白石(国分)。2人はいじめや家庭の問題など、さまざまな悩みを抱える28人の生徒たちに体当たりで向き合い、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と励ましながらクラスのきずなを深めていく。

 

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