2007年03月31日

315 歪んで見えて困っています。(変視症 metamorphopsia)

[歪んで見えて困っています。]
質問箱に与えられた質問です。 (管理頁


0329104年ほど前、左目の視力が落ち眼鏡による矯正をしても0.5くらいしか上がりませんでした。

近医を受診したところ、眼圧は正常、視野に欠損、網膜に皺のようなものありとのことでしたが原因ははっきりせず、大病院を紹介されました。そこでも脳のMRIなど測定しましたが異常はなく、しばらく様子をみましょうとのことでした。

1年後、視力や視野欠損が進んでいるようなので、別の近医を受診しました。視神経の周りの窪みが大きいといわれ、手術を受けるなら別の病院を紹介すると言われました。しかし、手術しても治る保証は無いとのことなので、止むを得ず経過をみることにしました。


03299昨年秋、直線の一部が盛り上がって歪んで見える(歪み、ゆがみ、歪む、ゆがむ)ようになり、某有名眼科病院を受診したところ、網膜に膜がかかっているような状態で、視野欠損の状態から正常眼圧の緑内障との診断を受けました。

現在、眼圧を下げる薬で治療中です。しかし、歪んで見える(歪み、ゆがみ、歪む、ゆがむ)ため頭痛がしてくるので、その旨医師に告げると、歪み、ゆがみ、歪む、ゆがむの症状は治らないし、歪んで見えること(歪み、ゆがみ、歪む、ゆがむ)の予防法もないとのことでした。このような歪んで見える(歪み、ゆがみ、歪む、ゆがむ)症状を治療や予防すること、また歪んで見えること(歪み、ゆがみ、歪む、ゆがむ)の進行を止める方法はないのでしょうか?

お答え:

ご相談ありがとうございます。まず患者さんの最初の病気が何かということが問題ですが、

緑内障視野1)正常眼圧緑内障:通常の緑内障は眼圧が20以上に上がるのですが、その上昇がほとんどないのに視神経に萎縮が始まり、視神経のくぼみが大きくなってきて、それに伴い周辺の視野にも欠損を生ずる(この図のように)病気があります。


緑内障乳頭陥凹拡大
この図は緑内障で視神経の中央が白くくぼんで見えることを表した図です。
この緑内障の治療には手術もありますが、まずはキサラタン、チモプトール、トルソプトなどの点眼薬を用います。 (引用:
http://blog.livedoor.jp/kiyosawaganka/archives/50373778.html)


変視症2)黄斑前膜:網膜の上に膜ができ、網膜がゆがむのでまっすぐな線が曲がって見える疾患があります。(図のようにゆがんで見える)。めがねを合わせても視力はだんだんに下がってきて0.8-0.6などになりますと手術の適応もあります。黄斑変性という網膜の中央が出血から変性に至る疾患もあります(引用:
http://blog.livedoor.jp/kiyosawaganka/archives/50695037.html)


白内の見え方
3)中高年であれば、誰にでもある白内障がそれらにかぶっている可能性があります。
担当医の手術云々の話はこの白内障を考えて言っている可能性があります(引用:http://blog.livedoor.jp/kiyosawaganka/archives/50411133.html)
通常の緑内障で眼圧が特に高くもないなら普通はそんなに急には視力低下などは進まないようですが、1年後に視力低下や視野欠損が進んでいるということは結構進行性であるということですよね?

盛り上がって見えるというのは緑内障だけで起きている症状ではありえません。
やはりこの変視症からは黄斑前線維症(⇒リンク)や加齢黄斑変性(⇒リンク:引用:
http://blog.livedoor.jp/kiyosawaganka/archives/50419653.html
)などとも考える必要がありそうです。

偏頭痛この図の出典のページ)さらに、”歪んで見えるため頭痛がしてくる”というのは私も腑に落ちません。何か目に痛みを起こすドライアイ(眼の乾きという至って安易な病名ですが、実はおくが深いです⇒リンク)偏頭痛(⇒リンク)
(http://blog.livedoor.jp/kiyosawaganka/archives/50708839.html)など頭痛を起こすような見落としている病気があるのでしょうか?

従来とはまったく別の目で、上に挙げたような病気の可能性を順に探して、脳の画像診断なども含めて患者さんを見直す必要もありそうです。

やはり実際の患者さんを見ないとわかりません。可能であれば、一度当医院を御受診になって、私にお見せください。

何か的確なことが言えるかも知れませんので。

以前の私のブログ記事にも似た質問がありました。
200 変視症 歪んでみえる、(類:多視症)です。⇒この記事にリンク


今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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kiyosawaganka at 18:19│Comments(0)TrackBack(0)網膜、硝子体、ぶどう膜疾患 

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院長 清澤源弘
”すべては患者さんのために”を目指す江東区南砂駅前の眼医者です。眼科知識普及に役立つブログの作成が趣味。緑内障、小児眼科、花粉症などの眼科疾患を治療し、コンタクトレンズにも注目。眼瞼痙攣のボトックス治療、複視や視野障害の治療が専門でPETでの脳機能評価も手がけます。東京医科歯科大臨床教授(07年4月-、現在も毎水曜の外来を担当)、順天堂大非常勤講師。2006年国際神経眼科学会副会長。

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