北朝鮮全土で「戦闘動員態勢」3月11日 15時36分
北朝鮮が、先週から全土で「戦闘動員態勢」という警戒態勢に入ったことが明らかになり、合同軍事演習を本格化させているアメリカと韓国への敵対心をあおって、国民の引き締めを図るねらいもあるとみられます。
これは、北朝鮮の国営メディアが11日、明らかにしたものです。それによりますと、今月5日に北朝鮮軍の最高司令部が、「朝鮮戦争の休戦協定を白紙にする」と一方的に宣言する声明を発表したあと、「直ちに各地の党組織や労働者団体で緊急会議が開かれ、一斉に戦闘動員態勢に入った」としています。
これに基づき、労働者や農民などで作る民兵組織が配置につくとともに、軍への入隊や復隊を求める動きも相次いでいるということです。
「戦闘動員態勢」は、今から20年前に当時のキム・ジョンイル最高司令官が米韓の合同軍事演習に対抗して全土に発令した「準戦時状態」に次ぐレベルの警戒態勢です。
今後、キム・ジョンウン第1書記が「準戦時状態」に引き上げる命令を出す可能性もあります。
北朝鮮指導部としては、国連の安全保障理事会が核実験に対する制裁決議を採択したのに続き、米韓が合同軍事演習を本格化させていることに対抗してこうした警戒態勢を取ることで、米韓両国への敵対心をあおり、国民の引き締めを図るねらいもあるとみられます。
一部の車両にカムフラージュも
11日朝に撮影されたピョンヤン市内の映像では、出勤中とみられる多くの市民が足早に歩いていたり、バス停の前ではバスを待つ人たちが長い列を作ったりと、ふだんと大きく変わった様子は見られません。
一方で、バスやトラックなど一部の車両には、車体を目立たなくするため木の葉や枝を付けた網がかぶせられているのが確認できます。また、街の中には「祖国統一大戦の時が来た」とか「核強国へ」といったスローガンも掲げられています。
朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は11日、「全人民が兵士、全国が最前線」と題した記事で、「戦争に対処する万全の準備を整える問題が各地で討議された。これは決戦を控えた作戦会議であり、一斉に戦闘動員態勢に入った」と伝えており、国を挙げてアメリカや韓国との対決に備えるよう、内部の引き締めを図るねらいとみられます。
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