埼玉・千葉連続刺傷:少女刺傷、家裁移送 発達障害「少年責められぬ」−−さいたま地裁

毎日新聞 2013年03月13日 東京朝刊

 埼玉、千葉両県で11年11〜12月、少女2人が刃物で切りつけられた連続少女刺傷事件で殺人未遂などの罪に問われた埼玉県三郷市の少年(18)の裁判員裁判で、さいたま地裁は12日、さいたま家裁へ移送する決定をした。争点は、刑事処分か保護処分かだったが、田村真裁判長は「医療少年院に長期間収容して個別の治療や矯正教育をし、保護観察所に家庭環境の調整をさせることこそ、再犯防止の最良の手段」と述べた。

 少年は事件後の精神鑑定で、生まれつき興味や関心に極端な偏りがある特定不能の広汎(こうはん)性発達障害と診断された。弁護側は保護処分のための家裁移送を求め、検察側は懲役5年以上10年以下の不定期刑を求刑していた。

 決定は、結果の重大性や計画性を認め「刑事処分を選択するほかないように思える」と指摘。しかし、その上で、障害の影響により少女への加虐性愛というゆがんだ価値観が形成されたとし、「障害や不適切な成育環境が動機に直結した。そうした事情がある少年を責めることはできず、動機の悪質性を少年に不利に考慮するのは相当でない」と判断した。弁護側の柴野和善弁護士は「少年にこの決定をきちんと受け止めてもらうことを期待している」と述べた。さいたま地検の森悦子次席検事は「被告が障害をもつ少年という特異な審理で、熟慮を重ねた末の判断と受け止めている」とコメントした。

 発達障害や知的障害のある被告人の刑事弁護が豊富な副島(そえじま)洋明弁護士は「司法が障害を理解しようとし始めている姿勢の表れだ」と高く評価した。【狩野智彦、田口雅士】

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

毎日スポニチTAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日RT

毎日RT

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

毎日プレミアムモール(通販)

毎日プレミアムモール(通販)

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM