チェルノブイリへのかけはし

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サマショール

3月 13th, 2013 · No Comments

北海道はアイヌが住んでいたところに和人が入っていって、日本の領土にした土地です。
それがいいとか悪いとかそんな先祖を裁くことは、ここでは書かない。
だけど、そこで生活していた人たちの生活の糧を奪ったという、自覚は和人にはなかった。
私たちの「無神経さ」「言い換え」の本性がここにある。
復興できない土地を、復興、ということであたかも、復興がやってくるかのように思う。
ロシア帝国から旧ソ連へ、旧ソ連になり、結果的に、北方領土やサハリンや、満州をもっていかれた。
北海道だけ残った。
アイヌの方々にとって、占領されるのは、日本の方が良かったか旧ソ連の方が良かったか。
どちらに属しても「アイヌ」として生きることは許されなかった時代背景。
でも、それはアイヌが決めた方が良かったかもしれない。
ベラルーシや旧ソ連の基準「年間総被ばく量1ミリシーベルトで被ばく者認定」が今は、黄金の光のように私たちを守ってくれていると、奪っていった彼らに。これもまた、歴史の皮肉だと思います。
ベラルーシの汚染された大地に強制移住させられた村の中で、たった一人で残っている人たちのことを「サマショール」と言います。以前にもかきましたが、旧ソ連は自給自足率が高く、今風に言えばダーチュニクになりますが、食べるものは自分たちでつくる、まさに政治的恐怖をのぞけば、生活の糧は、大地からあふれ出るおとぎ話の世界のようでした。
赤づきんちゃんがおばあちゃんの家を訪ねるような。
「サマショール」の意味は「わがままな人」という意味です。
政府の言うことを聞かない人。
そうだろうか、いいえ、反抗心で無く、たぶん、都会では生きていけない、その土地のまるで守り神のように、たった一人、たった一人で村を守っているかのようでした。
毎日、風の音だけ。
一人のサマショールの眼前には、広々とした野原が広がっていますが、かつてそこに300件ほどの家があり、それを全部つぶして埋め立ててしまったというのです。彼はそれをずっと眺めて暮らしている。
家があると、人が戻りたくなる、泥棒が汚染された家の中のものをもちだして汚染を拡大してしまうから。
ぼうぼうと風の音を聞きながら、彼は毎日をすごしている。
復興のため!という下世話な、嘘の大義のためではなく。
おそらく、福島でも、ほかの土地でも、その土地を愛してやまない、離れられないという人たちがいるでしょう。
日本ではおそらく彼らが褒め称えられ、彼らの純粋な気持ちを絵の具で塗りたくるようにして、毎年3.11になれば美談として紹介されるでしょう。
そうじゃない、もっと純粋な失われた故郷の墓守なんだよ。
旧ソ連がいい国だったか?と問われたら、答えに窮する。
多くの国民を犠牲にして、核実験をして、それで、「年間総被ばく量1ミリシーベルト」で本当は強制移住させるかどうかまじめに議論していた。
共産主義は宗教禁止。たよるものは科学のみ。そこが社会主義のツボなんです。
人の心に神の存在を許さない。「人権」もない。労働者の権利のみ。
愛とか人情とかも、科学の前には無意味。
へええ、めずらしくないよ。
今の日本と同じでしょ?
どれだけの人が、科学的、科学的といいながら、人間関係、組織関係でがんじがらめになって自由にものが言えないか。一生懸命自分を安心させるために、御用学者の言葉を家族に演説している輩もあったでしょう。
自分の愚かさのレベルでしか、科学を受け取れない。
日本は年間総被ばく量1ミリシーベルトの恐ろしさにむきあえる科学を持っているでしょうか?
しかも、日本の科学は、製薬会社とか、原子力産業とか、「うしろの正面」による経済的科学で、純粋ではない。
(とんでも!と言われる私が科学の批判をしないほうがいいという某ジャーナリストのアドバイス。自分を正当化しているように聞こえると。ご心配ありがとう!)
風疹が23倍に一気に増えたというニュースが流れていましたが、これは二つの意味で恐ろしい。
なんでも放射能のせいにされていくということと、ニュースでは男性がかかっているという。
この人たちの抵抗力が異常に落ちているということでしょう。
今頃になって、妊婦を守れとか嘘くさい。
本当に愛があるなら、事故のとき、関東圏含めて妊婦を全員、避難させるべきだった。
私たちは、本当に自由か?言論の自由?憲法で保障されていても、自分の主義主張を自由に言えないじゃない?学歴なんていらないと思っても、怖いから子供には勉強させたりするじゃない?
みんなが、こういっているから、自分だけは!政府は勝手にTPPだし、戦争だし。
全部、私たちは自由じゃない。
本当の自由はどこにある?
ぼうぼうと風のふきわたる失ったふるさとを眺め続けるサマショール、あなたも自由か?
本当の自由は、私たちの心の中にしかない。
嫌なことや嫌なことを言われたり、後ろ指をさされたり、こずかれたり、いじめられたり、いろんなことがあっても、自分らしく、自分の言葉をつむいでいけるかどうか。
無理もせず、逃げもせず、自分らしくできるかどうか。
波風立てないようにばかり考えているなら、引きこもっているのと同じ。
今まではそれができたけれど、もう、これからはそれができない。
政治的にあきらめていたら、自分の子孫の命が奪われるから。
さまざまな思い込みや観念よりも、しまい込んだ自分の心のほこりをただきだし、人を傷つけないように、でも、自分を解放する。
できるのか?女にはできる、女は早い。
今日は、一人のアイヌの女性に、鎮魂の思いで書いています。
彼女がアイヌの人権のために闘えば闘うほど、部族の人たちに叩かれた。お葬式もしてもらえなかった。
運動より家族だろ?確かに責められるようなこともあったかもしれない。でも、彼女がイライラしてもっともっととあせった和人との関係。
日本のダメなところが、とうとう、放射能汚染までにたどりついた。
白血病で亡くなった彼女の骨が、ひょうたん型の入れ物に入っていて、サラサラとこぼれおちる夢を見たのはフクイチの事故の前。なんの意味だったんだろう。
引っ越しの片付けの本の中から、「ホピの予言」をみつけた。
彼らの言い伝えの中に「灰の詰まったひょうたん、二つ」世界を滅ぼす元凶。
ヒロシマ・長崎がアメリカのホピ族の大地から掘り出されたウランなどが原材料だと知って、彼らは彼らの掟をやぶり、世界中に警告に走ります。
日本には、壊れた灰のつまったひょうたんが4つ。
さらに、いつ地震でこわれてもおかしくない灰のつまったひょうたんが50個。
掟やぶりはいつも叩かれる。でも、もう「掟」や「因習」から解放されていい。
自分に自由になり、周囲にも自由をあげたらいい。
国民を解放して下さい。
奪った大地は奪われた…。
奪いにまた誰かがやってくる。
(自由って好きな時間に寝たり起きたりすることじゃないから。そこは自然のリズムにしたがって。
自由だからって、やっぱり働かなければいけないし。
子供にも悪いことをしたらちゃんとあやまるなどシツケは大事です。でも、叱るときにもっともっと子供の気持ちをきいてあげて、みんなが愛し合えるにはどうしたらいいか?を考えてね。
そう、自分を押し殺してなしえる調和でなく、みんなが自分らしくいることを認め会える本当の調和の時代へ。)


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