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【プロ野球】

長野もついに復活 5打点大暴れ

2013年3月13日 紙面から

日本−オランダ 8回裏2死二、三塁、左前に2点適時打を放つ長野=東京ドーム

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◇WBC2次ラウンド 日本10−6オランダ

 これだけは逃せなかった米国切符を手にしても、侍ジャパンの旅路は完結しない。視線は世界の頂へ。そのために必要不可欠な男が目を覚ました。不振に悩んでいた長野だ。

 2回1死満塁。カーブをとらえ、左翼線へ走者一掃の二塁打を放った。

 「みんながつないでくれたチャンス。続くことができて良かった」

 ベンチを向き、小さく手を上げる。長かったトンネルの出口が見えた。2点差に迫られた8回には左前へ2点適時打。これで勝負は決した。

 この日は2番から松井−井端−阿部と並ぶオーダーだった。準決勝から井端−内川−阿部に戻ることが予想される。「右に打たせれば日本一。もともとは切り札だったが、井端の2番は外せなくなった」と立浪打撃コーチ。首脳陣の一致した考えだ。

 問題は、その前に座る打者。試合前、祈りの表情を浮かべていたのは梨田野手総合コーチ。「みんなに調子を上げてほしいけど、1番は長野。本当ならセンターでずっと試合に出てほしい」。その思いに長野は応えた。3試合ぶりのスタメンで1番に座ると中押し、とどめと計5打点を挙げたのだ。

 長野は苦しんでいた。大会前の強化試合と壮行試合を含む実戦では19打数1安打。不安の声が高まると「(周囲が)ピーピーピーピーピーピーピーピー言ってますけど、まだ本番じゃない。本番になったら任せてください」と大見えを切っていた。大会に入っても、この試合を迎えるまでは5試合で12打数2安打とさえなかった。

 「飲むつもりはなかったのに、ヤケ酒になってしまいました」。目を腫らして球場に現れ、そう打ち明けたこともあった。

 そんな長野に救いの言葉が届いた。11日の練習中、井端から「結果が出てないからって、背中を丸めるな」。このひと言が長野を変えたのだ。 (井上学)

 

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