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【埼玉】少女連続刺傷 家裁送致決定 「医療少年院が最良」少年に言い渡されたのは、刑事処分ではなく、家裁送致だった。三郷市や千葉県松戸市で少女二人を刺したとして、殺人未遂などの罪に問われた少年(18)のさいたま地裁での裁判員裁判。十二日の公判で、田村真裁判長は事件をさいたま家裁に移送する決定を言い渡し、医療少年院での治療が「最良の手段」と、その理由を説明した。少年は再び家庭裁判所の審判を受けることになる。 「罰を受けずに済んだわけではありません。君は変わる必要があります。変わらなければなりません」 田村裁判長は決定理由を読み上げた後、分かりやすい言葉を選び、少年に語りかけた。「分かりましたか」。田村裁判長が声をかけると、少年は前かがみに座ったまま小さくうなずいた。裁判員たちは、じっと少年の表情に見入っていた。 これまでの公判で、少年は少女二人を殺害しようとした動機について「興奮するから」と供述した。殺害後に首を切って持ち帰る計画だったなどと説明し、検察側は懲役五年以上十年以下の不定期刑を求めていた。 この日の決定理由で田村裁判長は、悪質な動機は、少年の広汎性発達障害や家庭環境と直結しているとして、刑事処分の根拠とすべきでないと指摘。「治療のためには少年刑務所より医療少年院が有効であることは明らかで、保護処分は再犯を防ぐ社会の要請にもかなう」と述べた。 弁護側の柴野和善弁護士は決定を受け「少年には裁判長の言葉をしっかりと受け止めてほしい。裁判員の方は難しい決断だったと思うが、少年の将来を真剣に考えてくれたと思う」と評価した。 検察側は「障害がある少年という特異な審理に取り組み、熟慮を重ねた末の判断であると受け止めている」とコメントした。 PR情報
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