顔もタイプじゃないし、性格もどこがよいのかわからない。でも、出会ったときからなぜか気になる……。そんな経験、ありませんか?
実は、そのカギを握っているかもしれないのが“遺伝子の相性”。今回は、スイスでおこなわれた“Tシャツ実験”という一風変わった研究を参考に、遺伝子の相性の秘密について紹介いたします。
この事実を知っていれば、あてもなく運命の相手選びをする手間がなくなり、婚活に無駄な時間を使わずに済むかもしれません! ぜひ身の周りの男性を思いながらチェックしてみましょう。
■いい男はニオイで嗅ぎ分ける
その恋愛遺伝子こそ、HLA(Human Leukocyte Antigen=ヒト白血球抗原)遺伝子。
臓器移植の際に重要な役割を果たすもので、移植臓器とホストとの適合性を決定付けるHLAタンパク質が、どうやら心の相性にも関係するというのです。
さらに、HLA遺伝子はヒトの体臭に影響を与えています。ここに相性のよい男性を見分けるヒントが隠されています。
クラウス・ウェデキント博士が行ったTシャツ実験は、44人の男子学生に2日続けて同じTシャツを着て寝てもらい、49人の女子学生にそのTシャツのにおいを嗅がせるというものでした。
男子学生には、香辛料を含む食べ物などの体臭に影響するものは避け、2晩続けて服を着用したまま就寝してもらいました。
女子学生は月経周期の中間にある人だけが被験者として選ばれました。この時期は、女性の嗅覚が通常の100倍ほど鋭くなるといわれているためです。
すると、女子学生は、自分と似ていないHLA型のTシャツを「いい感じ」、似ていないHLA型のTシャツを「嫌な感じ」と判断するという結果が出たのです。
■遺伝子まかせが幸せへの道?
なぜ、自分と異なる遺伝子を好ましいと感じてしまうのでしょうか。
HLA遺伝子がつくるタンパク質は、ウィルスや病原体などの侵入を捕え、その居場所を免疫細胞に伝える役割を持っています。
身体の中のHLA遺伝子の型が増えれば、それだけ捕えられる侵入者の種類も多くなるので、型の異なる者同士なら、より多くの型を持った子供が生まれます。
私たち人間は、本能的に生存確率の高い子孫を残そうとしているのです。
つまり、遺伝子の相性診断によれば、「あの人のニオイ、なんか好き……」が一番正確なモノサシということになります。見た目、年収などのスペックは、一旦忘れるほうが、幸せへの近道なのかもしれません。
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【参考】
※ Body odour preferences in men and women: do they aim for specific MHC combinations or simply heterozygosity? – Claus Wedekind and Sandra Furi
※ 竹内久美子(2010)『女は男の指を見る』 新潮社
※ 山元大輔(2001)『恋愛遺伝子―運命の赤い糸を科学する』 光文社
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