人間は本来、自分のDNAをこの世に残すために生殖活動をします。そうでなければ、永らく続いてきた血が、自分の代で途絶えてしまうからです。
「子孫を残さなければ」といった欲求に駆られている際は、どうにかして子孫を残そうとするのが、人間の本能。そして、必然としてそこに結びついてくるのが、恋心というもの。
海外サイト『Mashable』によると、人は恋をすると脳内がコカイン中毒者のそれと全く似通った状態になるのだとか。「感覚神経の興奮を抑制することによって、脳の快楽中枢に作用する」というのが、コカインの効果。この働きによって、人は即座に高揚感を得られるわけですが、恋をしているときもまた、同じことが脳内で起こっていたのです。
「恋をすると世界がバラ色にみえる」というのはよく聞くセリフですが、科学的見地から見ても、これは事実。先ほど述べた脳内で起きている現象によって、自分を取り巻く状況すべてがロマンチックなものに感じられるようになるのです。そのうえ不思議なことに「痛み」「嫌悪感」などマイナスな感情にまつわる中枢神経が麻痺するため、嫌なことが気にならなくなるのだとか。このかんじ、きっとあなたも身に覚えがありますよね?
恋愛中に脳内に分泌されるのは、オルガスムスを感じたときなどに大量に放出される脳内物質、『ドーパミン』『ノルエピネフリン』。これにより、胸がドキドキしたり性的興奮を覚えたりするだけでなく、やる気がわいてきて「もっとこの人と一緒にいたい!」と思うようになるのだとか。このように、愛は単なる感情のひとつではなく、心のエネルギーがもたらす欲求なのです。
ちなみに『ドーパミン』が出る領域、快楽中枢を刺激すると、知識が身に付きやすくなるという効果も。なぜなら、知識を得ることが快楽に感じられるようになるから。高揚感を得て、幸せを感じ、知識まですいすい身につくって……恋愛中の状態って、ここまでイイことづくめだったのね!
また恋愛中の脳には、『オキシトシン』という物質も大量に分泌されます。別名「繋がりの神経物質」といわれているこちらの物質は、人の心に絆や愛着を生み、それらを深める役目を担っているのです。事実、実験でネズミに『オキシトシン』を注入したところ、ネズミたちはすぐさま交尾相手を見つけたのだとか。
加えて恋愛中の人の脳内は、『セロトニン』という物質の割合が低いのだそうで、この状態は強迫性障害を持つ人のそれと似ています。恋愛の初期段階では、多くの人が相手に夢中になるあまり執着する傾向に。これは「セロトニンの低下」が原因だとみられています。
「それでも、愛はいつか冷めるものでしょう?」
いいえお嬢さん、そうとばかりはいえないことも、科学は証明しているようですよ。これまでの研究により、熱愛中の快感中枢は、アクティブな状態のまま何十年も継続することができるとわかっています。快感中枢に生理的、精神的要因がいくつも絡み合うことで、この状態が生まれるのだそうです。おじいちゃんおばあちゃんになってもラブラブなふたりをたまに目撃するけれど、アレはこういうことだったのか〜、納得!
これまで1度でも恋に落ちた経験があるならば、これらの現象、あなたも経験を通してひしひしと実感できたはず。愛し合える相手に出会えることは、奇跡に近いこと。世界がバラ色になるようなステキな恋を、いつでもしていたいものですね。
(文=田端あんじ)
参考元:Mashable
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