骨髄提供者&勤務先企業に助成金 清水町が県内初

(2013/3/12 15:00)

 白血病治療などに必要な骨髄提供者(ドナー)の登録が県内で伸び悩む中、清水町は2013年度、ドナーとドナーを雇用する企業に助成金を交付する事業を始める。同町によると、県内市町では初の取り組み。14年度以降も事業を継続する方針で、「登録を後押しする動きが県内に広がってほしい」(同町)と期待している。
 骨髄提供には、健康診断や入院などに3~7日かかる。清水町は、ドナーになる町民が町内企業で働く場合、ドナーに1日2万円、企業に1万円を7日間を上限に交付する。13年度一般会計当初予算案に「骨髄移植ドナー支援事業」として42万円を盛り込んだ。
 全国的には、12年度、東京都稲城市、愛媛県四国中央市、島根県益田市の3市がドナーと企業双方を助成する制度を導入した。ドナーだけを対象に助成する市もあるが、清水町健康づくり課の担当者は「双方を支援するのは、より登録しやすい環境を整えるため。まずは近隣市町に波及してくれれば」と話す。
 ドナーは提供が決まると4、5回の面談が必要となり、就業しているドナーには負担が大きい。ドナー登録者は全国で徐々に増えているものの、近年は非正規雇用者が増加したこともあって、経済的な理由から辞退する人が増えているという。
 日本骨髄バンクを運営する骨髄移植推進財団のまとめでは、1月末現在のドナー登録者は全国で42万6735人、県内は8957人。県内の登録対象年齢人口千人当たりの登録者数は5・13人で、全国平均の7・10人を下回っている。

 骨髄提供者(ドナー) 白血病などの血液難病の患者に、正常な骨髄の提供するため骨髄バンクに登録する。登録の対象は18歳以上54歳以下で、実際に骨髄提供できるのは20歳から。満55歳になると、登録は抹消される。骨髄移植推進財団によると、登録が始まった1992年1月から2013年1月までの累計ドナー登録者数は57万226人。移植を希望する登録患者数の累計は3万7841人で、うち1万5150人が移植手術を受けた。

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