春の人事の季節を迎えて、各企業で社長交代の発表が相次いでいる。経営者の優劣は企業の盛衰に直結する。日本企業のトップ選びの特徴や課題を検証してみよう。
今年登場する新社長の顔ぶれを見ると、いくつか共通点が浮かび上がる。一つはこれまで社長を出したことのない部門の出身者が目立つことだ。
例えば東芝の田中久雄次期社長は調達部門が長い。2006年に同部門の出身者として初の役員となり、今回豊富な現場経験が買われて社長に選ばれた。
リコーの三浦善司次期社長も経理畑の出身で、販売系や技術系が社長に就いてきた同社の歴史に新たなページを開くことになる。
自社の純粋培養ではなく、異なる企業文化に触れた経験の持ち主も多い。三菱重工業の宮永俊一次期社長は、日立製作所との事業統合で発足した製鉄機械会社の社長を6年務めた。最初はいわゆる片道切符で、統合新会社に骨をうずめる覚悟だったという。
コマツの社長に就任する大橋徹二専務は米国出向時代に鉱山機械事業を再建したが、この事業はもともと米社の買収で手に入れたもの。コマツ流の生産管理などを移植し、黒字転換を果たした。
こうした事例が示すのは、トップの登用経路の複線化だ。花形の事業部や本社の中枢部門を経験させれば、経営者ができあがる時代ではない。
過去のしがらみを乗り越え、改革を進めるためには、幅広い知見や経験、人脈がモノを言う。
日本企業はリーダーの育成・選抜にもっと早めに取り組む必要もある。ある時期まで同期と横並びで昇進し、経営に携わるのは50歳以降、というのが大企業の通例ではないか。一方、米欧企業は幹部候補生には若いうちから大きな仕事を任せ、経験を積ませる。
社外人材の登用も、大胆な改革のためには有効な手法である。海外のライバルに見劣りしない「プロの経営者」を輩出するために、取り組むべき課題は多い。
田中久雄、三浦善司、宮永俊一、大橋徹二、リコー、三菱重工業、東芝、コマツ、日立製作所
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