顕彰馬 紹介

幻の馬 トキノミノル

幻の馬 トキノミノル  国営競馬時代(昭和23年〜29年)を代表するスターホースといえば二冠馬トキノミノルであろう。通算成績10戦10勝、うち7度がレコード勝ちという規格外の強さを誇り、昭和26年の皐月賞とダービーに優勝した。勇名は競馬サークルを超えて一般社会にまで轟き、競馬人気の礎を築いたことでも多大な功績のあった名馬である。
 デビュー時の馬名はパーフエクト。その名の通り、圧倒的なスピードで8馬身差のレコード勝ちを収めると、馬主の永田雅一氏は「私の競馬にかける夢が実る時がきた」と、同馬をトキノミノルと改名した。そんな永田氏の思いに応えるように、トキノミノルは他馬を歯牙にもかけぬ強さで朝日盃三歳S、皐月賞、ダービーに優勝。ダービー当日は7万人近い観衆が東京競馬場に詰め掛け、不敗の名馬の疾走に歓声を上げた。だが、そんな栄光もつかの間のことであった。ほどなく破傷風を発症したトキノミノルは、戴冠17日後に急逝。名馬の訃報は一般紙にも掲載され、作家の吉屋信子氏は、トキノミノルはダービーを獲るために生まれてきた「幻の馬」であったと、その死を悼んだ。現在、東京競馬場にはトキノミノルの像が建ち、後進の活躍を見守っている。

血統表

トキノミノル
牡 鹿毛
昭和23年5月2日生
生産 三石・本桐牧場
調教師 田中和一郎(東京)
馬主 永田雅一氏

セフト
1932 鹿
Tetratema
The Tetrarch
Scotch Gift
Voleuse
Volta
Sun Worship

第弐タイランツクヰーン
1934 芦
Soldennis
Tredennis
Soligena
タイランツクヰーン
Phalaris
Silver Queen

通算成績 10戦10勝
主な勝ち鞍 朝日盃三歳S、皐月賞、東京優駿
昭和59年顕彰馬選出

夢の超特急 コダマ

夢の超特急 コダマ  東海道本線の電化に伴い、東京〜大阪・神戸間を時速110キロで走る特急「こだま」がお目見えしたのは昭和33年のこと。後の高度経済成長を予見させる近代的な流線型のボディーで、かつてない高速を実現した「こだま」は、たちまち子供たちの人気者となった。その翌年、ターフに現れた夢の超特急の如(ごと)き快足馬がコダマである。
 父は英国産種牡馬ブツフラー、母はダービー2着馬のシラオキ。同馬を手掛けたのは伯楽と名高い武田文吾調教師である。小柄ながら逞しい後躯から繰り出す推進力で、デビューから負け知らずのまま、皐月賞とダービーに優勝。トキノミノルの再来と謳われ、大人から子供まで絶大な人気を誇った。後年、武田調教師が三冠馬シンザンとの比較で、「コダマは剃刀、シンザンは鉈」と、各々の強さを表現している。慢性的な脚部不安から旧4歳の秋以降は不振であったが、屈腱炎とも戦いながら旧6歳まで現役を続け、通算17戦12勝という立派な成績を収めた。引退後、種牡馬となったコダマは桜花賞馬ヒデコトブキらを送り出し、その血脈も、母シラオキから枝葉を広げて、日本屈指の在来牝系として今日まで活力を保っている。

血統表

コダマ
牡 栗毛
昭和32年4月15日生
生産 浦河・伊藤由五郎
調教師 武田文吾(京都)
馬主 伊藤由五郎氏 

ブツフラー
1952 栗
Prince Chevalier
Prince Rose
Chevalerie
Monsoon
Umidwar
Heavenly Wind

シラオキ
1946 栗
プリメロ
Blandford
Athasi
第弐スターカツプ
ダイオライト
スターカツプ

通算成績 17戦12勝
主な勝ち鞍 阪神三歳S、皐月賞、東京優駿、宝塚記念
主な産駒 ヒデコトブキ(桜花賞)
平成2年顕彰馬選出

2012.6.2 レーシングプログラム掲載

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