マツダ車突入:引寺被告 2審も無期懲役 広島高裁判決

毎日新聞 2013年03月11日 11時44分(最終更新 03月11日 13時45分)

 マツダ本社工場(広島市南区など)に2010年6月、乗用車を突入させて社員1人を死亡させ、11人に重軽傷を負わせたとして殺人罪などに問われ、1審・広島地裁の裁判員裁判で求刑通り無期懲役の判決を受けた元同社期間社員、引寺(ひきじ)利明被告(45)の控訴審判決が11日、広島高裁であった。木口信之裁判長は「殺意や完全責任能力があるとした1審判決に誤りは認められず、刑事責任は重く量刑も不当でない」などと述べ、被告の控訴を棄却した。引寺被告は上告する方針。

 1審判決(昨年3月)は「死刑選択も検討されるべき事案」と言及したが、「社員による集団ストーカー行為を会社が放置した」という動機を妄想性障害の影響と認定。一方、引寺被告の完全責任能力は認め、「心神喪失状態」との弁護側主張を退けた。

 控訴審で弁護側は、被告の精神鑑定医が、事件当時は心神耗弱状態だったという所見を示したのに、完全責任能力を認めた1審判決は誤りで量刑不当と主張。破棄か差し戻しを求めた。これに対し、木口裁判長は「完全責任能力を認めた鑑定は合理的」と指摘し、法令適用の誤りもないと述べた。

 判決によると、10年6月22日午前7時半過ぎ、引寺被告が運転する乗用車が、マツダ本社工場東正門から侵入。約8分間に約9キロを暴走し、出勤途中の社員を次々はねて浜田博志さん(当時39歳)を死亡させ、1人を重体、1人に重傷、9人に軽傷を負わせた。

 引寺被告は判決の言い渡し後、「わしに一言ないんですか」「よう覚えとけ」などと大声を出し、刑務官に押さえられながら退廷した。【黄在龍、中里顕、石川裕士】

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