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【大相撲】

白鵬 元気届けた! 忘れちゃいけない日に会心相撲

2013年3月12日 紙面から

◇大相撲春場所<2日目>

高安を寄り切りで破り、誕生日を白星で飾った白鵬(加藤晃撮影)

写真

 (11日・ボディメーカーコロシアム)

 両横綱は初日に続いて安泰だったが、大関3人に早くも土がついた。2場所ぶりの優勝狙う横綱白鵬(28)=宮城野=は高安を危なげなく寄り切り、2連覇を目指す横綱日馬富士(28)=伊勢ケ浜=も栃ノ心を寄り切った。大関陣は稀勢の里が妙義龍に押し出され、琴奨菊は千代大龍の引き落としに屈した。琴欧洲は小結栃煌山に敗れた。鶴竜は小結安美錦を押し出した。豪栄道は勢を押し出し、把瑠都も勝って両関脇は2連勝。

 午後2時46分。白鵬は堺市の宿舎から場所に向かう車の中にいた。3月11日は28歳の誕生日でもある。同時に「絶対に忘れちゃいけない」日でもある。

 「(大震災のとき)見た風景というより、感じたことだろうね」。自分の力ではどうにもできないそのときの感情は、今も忘れることなく体に残っている。

 初日の安美錦戦はひやりとしたが、特に気にかけている被災地の子どもたちへの思いが、別人のような2日目の相撲につながったのだろう。

 「(子どもたちに)相撲を通じて元気な姿を見せるしかない」。平成生まれ初の三役を狙う高安を、右四つから速攻の寄り。いつも以上にいい相撲を取りたかったかと聞かれると、「そういう意味では、いい相撲を取った」とほほ笑んだ。

 力士会の会長として白鵬が呼びかけた被災地への支援。10年間、70人の関取が毎月1万円を出し合い、津波で流された被災地の土俵を再建するもの。

 昨年度は岩手県山田町に完成し、本年度は宮城県気仙沼に完成予定。その後も福島県に建設する予定だ。「相撲をやる子が稽古できないのは考えられない。震災を経験している子は、精神的にも肉体的にも強くなると思う。どの道に進むか分からないけど、国を引っ張ってくれると思う」とメッセージを送る。

 山田町の土俵は建設費1000万円のうち600万円を自己負担。2月に開催した子供の相撲大会「白鵬杯」では、足りない運営費の1800万円を自己負担した。「ここまでこれたのは相撲のおかげであり日本のおかげ」と言い続けている横綱。土俵の内外で恩返しをしていく。

 それがまた自身の支えにも。28歳でも「自分としては(部屋の十両で23歳の)大喜鵬といっしょのつもりで」。ちゃめっ気たっぷりの笑顔とともに、まだまだ元気な姿を届けていく。 (岸本隆)

 

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