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【サッカー】

「3・11を忘れない」 なでしこ2発快勝

2013年3月12日 紙面から

◇アルガルベ・カップ 日本2−0デンマーク

前半、先制ゴールを決めた川澄(左)とキャプテンマークに書かれた「東北魂」の文字を指さし喜ぶ岩清水=ファロで(共同)

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 【ファロ(ポルトガル)原田公樹】サッカー女子日本代表のなでしこジャパンは11日、アルガルベ・カップ1次リーグA組最終戦でデンマークと対戦し、MF川澄奈穂美(27)=INAC神戸=と、FW大儀見優季(25)=ポツダム=のゴールで2−0で快勝した。今大会初勝利を挙げ、1次リーグ1勝2敗で同組3位となった日本は13日の5位決定戦で、B組3位と対戦する。日本は国際サッカー連盟(FIFA)ランキング3位、デンマークは同13位。

 川澄が左から蹴り上げたボールは南ポルトガルの風に乗り、相手GKの頭上を越えてゆっくりとゴール右上隅に吸い込まれた。前半17分に、まず1点。さらに前半41分には宇津木からの絶妙なパスで、ゴール前へ抜け出た大儀見がGKと1対1になり、巧みにかわして、無人のゴールへ2点目を流し込んだ。

 ノルウェー、ドイツに2連敗して迎えたデンマークとの一戦。追い込まれ、危機感たっぷりのなでしこたちは、これまでとまったく違った。ショートパスをつないで攻めるデンマークに対し、プレスをかけ、果敢に体をぶつけてボールを絡め取り、攻撃に変えた。

 試合前日、佐々木監督は「まず勝つ。勝たないと、日本で応援してもらっているみなさんに失礼」と語気を強めた。せっかく盛り上がった「なでしこブーム」を冷めさせてはならないという責任を感じたからだろう。

 もうひとつ負けられない理由があった。「3・11」。2年前に初参加したこのアルガルベ杯で3位に輝き、帰国した日に、東日本大震災に見舞われた。岩手県生まれで、この試合で主将に指名されたDF岩清水は「3・11を私たちは忘れない 共にがんばろう 東北魂!」と書いたキャプテンマークを巻き、必勝を誓っていた。ゴールの度に、左腕をアピールした岩清水は「東北にいいニュースを届けたいと思っていたので、勝利を届けられてよかった」と安堵(あんど)の表情をみせた。

 2点をリードし、プレッシャーから解き放たれたなでしこの動きは後半に、さらに鋭さを増した。後半の追加点こそなかったが、7月の欧州選手権(スウェーデン)に向け、仕上げ段階に入っているデンマークに勝ち切った。だが、まだミスもあり、得意の連係プレーはいまひとつ。スピードも足りない。13日の最終戦に向けた課題は山ほどある。

 

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