【ＢＯＸ】河野、大毅よりも佐藤との統一戦熱望！大みそか激突も「選択肢」

対戦相手の写真を手に闘志を見せる内山（左）と河野

　◆報知新聞社後援　プロボクシングダブル世界戦　▽ＷＢＡスーパーフェザー級戦　王者・内山高志―同級１０位・ハイデル・パーラ　▽ＷＢＡ世界スーパーフライ級戦　王者・河野公平―暫定王者・リボリオ・ソリス（５月６日、東京・大田区総合体育館）　ＷＢＡ世界スーパーフライ級王者・河野公平と同スーパーフェザー級王者・内山高志が、５月６日に東京・大田区総合体育館でダブル世界戦を行うことが１１日、発表された。同日、大田区役所で会見が行われ、河野は暫定王者リボリオ・ソリスとのＶ１戦に勝利後は、挑戦へ意欲を示す同級２位・亀田大毅（２４）＝亀田＝との防衛戦ではなく、ＷＢＣ王者の佐藤洋太（２８）＝協栄＝との統一戦を熱望した。内山は同級１０位ハイデル・パーラを迎える７度目の防衛戦での圧勝を誓った。

　試練の戦いに、河野はガムシャラに進む。初防衛戦を兼ねた王座統一戦に「暫定王者が相手で正直びっくり。自分を最高のチャレンジャーと思って臨む」と静かに闘志を燃やした。当初の予定では同級１３位ペッチバンボーン（タイ）と初防衛戦を行うはずだったが、ＷＢＡから王座統一戦を義務づけられ、いきなり“頂上決戦”となった。

　２０１１年に暫定王座についたソリスは昨年４月に初防衛をしたのみ。河野は「攻めてくる選手でスタミナ勝負になる。本場ベネズエラの選手なので、ＫＯじゃないと勝てないつもりでいる」と分析。昨年大みそかの３度目の世界挑戦で前王者テーパリット（タイ）から３度のダウンを奪い４回ＫＯで奇跡の王座奪取劇を演じたが、「あの気持ちをもう一度、味わいたい」と再現する気だ。

　貪欲になってきた。ソリスを下し王座統一後の展望に関し「目の前の試合しか考えたくない」と前置きしつつ、挑戦に意欲を示している亀田大毅について「そういう気持ちはない」と明言。それよりも「佐藤がタイで勝ったら快挙。将来的に統一戦をやりたい」と５月３日にタイでＶ３戦に臨むＷＢＣ王者の佐藤とのビッグマッチを熱望した。お互い防衛に成功すれば「大みそかに佐藤と統一戦を行う選択肢もある」（渡辺均会長）という。

　最近の悩みは花粉症。メーンイベントを飾る先輩の内山から「目がウルウルして（犬の）チワワみたいな顔」といじられるほどの重症で、底なしのスタミナを培うロードワークを控え、ジム内で走ることが多い。まだ王者の貫禄はない河野だが、「少しでも長く世界王者でいたい。勝って自分をアピールしたい」。野望をかなえるためにも、まずはソリス撃破へ万全を期す。

　◆国内で行われた初防衛戦を兼ねた王座統一戦　過去に５試合あり、戦績は日本勢の２勝３敗。１９９２年９月、ＷＢＣ世界バンタム級正規王者・辰吉丈一郎が暫定王者のラバナレス（メキシコ）と対戦したのが最初で、９回ＴＫＯ負けした辰吉が王座を陥落した。最近では、ＷＢＡ世界スーパーフライ級王者・清水智信が正規王者のテーパリット（タイ）と統一戦を行い、９回ＴＫＯ負けした。

　◆河野　公平（こうの・こうへい）１９８０年１１月２３日、東京都生まれ。３２歳。東亜学園高卒業後にボクシングを始め、００年１１月にプロデビュー。０７年、日本、東洋太平洋スーパーフライ級王座を獲得。０８年の名城信男（六島）、１０年のトマス・ロハス（メキシコ）への世界挑戦で連敗。昨年大みそかにテーパリット（タイ）を４回ＫＯで下し、ＷＢＡ世界同級王座奪取に成功。身長１６６・５センチの右ファイター。