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宮城・亘理町の女子児童 首相にお願い「復興終わらせて」
亘理町主催の合同追悼式で、遺族代表として手紙を読む小野望美さん
Photo By スポニチ |
1万8000人を超える死者・行方不明者を出し、戦後最悪の災害となった東日本大震災は11日、発生から2年を迎えた。被災地は地震発生時刻の午後2時46分に黙とうをささげ、終日、犠牲者追悼の祈りに包まれた。発足2カ月半の安倍政権は「復興の加速化」を表明しているが、その歩みは遅く、東京電力福島第1原発事故も収束していない。それでも被災者は悲しみをこらえ、一歩ずつ前に進んでいる。
町民306人が犠牲になった宮城県亘理町。約600人が故人をしのんだ町主催の合同追悼式では、安倍晋三首相が1月28日の所信表明演説で名前を紹介した、同町立長瀞(ながとろ)小4年の女子児童、小野望美さん(10)が参列。遺族代表として手紙を朗読した。
震災で亡くなった母、由美子さん=当時(46)=へ向け、「今はみんなに助けてもらいながら家族5人でがんばって生活しています。だから、おかあさんも、心配しないで天国から見ていてください」と、しっかりした口調で読み上げた。
安倍政権になって初めて迎えた3・11。望美さんはスポニチ本紙の取材に「(首相は)会ったときに優しそうだったから、被災地のみんなのことを考えてくれそう。復興を一日でも早く、終わらせてほしい」と、希望を語った。
望美さんは、由美子さんがランドセル会社の企画に応募した「1000日後に届く手紙」を、母の死後に受け取ったことが話題に。安倍首相は震災直後の2011年春に避難所を訪れたときに望美さんと知り合い、その後も「夢」としたためた色紙を贈るなど、交流を続けてきた。安倍首相は1月12日、首相就任後初めて亘理町を訪問。2メートル超の津波に襲われた長瀞小の旧校舎は解体中で、望美さんから「新しい小学校を建ててほしい」とおねだりされた。首相は所信表明演説で、このことに触れ、「過去を振り返るのではなく、将来への希望を伝えてくれたことに強く心を打たれた」と、たくましく生きる望美さんの姿を称賛した。
建設に着手している新校舎は、望美さんが6年生になる来年8月、場所を移転し完成する予定。復興の加速を強調する安倍政権の象徴とも言える存在だ。
同小の児童は、間借りしている近隣の中学校で学校生活を送る。新校舎について望美さんは「ぜいたく言えないけど、遊び道具がいっぱい欲しいな。中学校にはブランコとかないから」とあどけなく笑う。
将来はペットショップの店員など、動物にかかわる仕事が夢という望美さん。同じ境遇に置かれる被災地の子どもたちに「家族を失ったことを忘れてはいけないけど、少しずつ慣れていって、いつかなりたいものになろうね、と言いたい」と、明るい未来を信じ、全力で生き抜くことを呼びかけた。
[ 2013年3月12日 06:00 ]
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