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1:量子力学の観測・解釈問題の解決

第1話
最も役に立つ科学理論

このブログは
 
科学哲学序説

--- 測定理論による諸科学の統一 ---

の読書日記です。この本は、測定理論(=量子哲学、量子言語)を提案して

①:測定理論は、「量子力学とは何か?」の問いに最終解答を与える
    すなわち、量子力学の観測・解釈問題の解決
②:測定理論は、世界記述の哲学の最終形態である(大きな物語の終焉)
③:測定理論は、科学史上最も役に立つ理論である。 副題にあるように、
    「諸科学の統一」である。

を主張しています。 もちろん、著者にとっての最重要の主張は③で、①と②は二義的な副産物かもしれない。順序付けするならば、

③ >> ① > ②

でしょう。
しかし、ブログ向きなのは②なので、このブログの興味は②の部分に集中します。 すなわち、

測定理論(=量子哲学)の視点から、世界記述の(すべての)哲学を総括したい

と思っています。 「世界記述の哲学=科学哲学」と考えるので、
 
科学哲学史
がテーマとなります。 このブログで明らかにされることですが、これは、測定理論の視点からの
 
二元論的観念論(=哲学の本流)の歴史

の検証・総括 とほぼ同じです。 ③の議論の中で、①と②の気分も自然と伝わるはずです。
 
最重要人物は、

ピタゴラス、パルメニデス、プラトン、アリストテレス、エラトステネス、
アウグスティヌス、トマス・アクィナス、オッカム、ガリレオ、ニュートン、
ライプニッツ、ジョン・ロック、バークリー、ヒューム、カント、
カントール、アインシュタイン、ハイゼンベルグ、ウィトゲンシュタイン、
ボルン、シュレーディンガー、フィッシャー、フォン・ノイマン

等で、「量子言語」にとっては、誰一人として欠かせません。

通常は、
 
(A):  「二元論的観念論」など、科学が未発達の時代の妄想的産物で、現代的には歴史的・文献的意義しかない

と思うのが普通でしょうが、このブログでは、

(B):  「二元論的観念論」が、現代科学の中心に居座っている

と主張します。


-----------
量子哲学研究会(アドバイザー:石川先生)所属です。量哲研の歴代の輪講レポートがベースになっていますが、このブログでは、数学は封印です。よろしくお願いします。 

本ブログでは、量子力学の予備知識は仮定しませんが、量子力学を習得しているならば、次を先に読めば、本ブログの全体像が掴めて読み易いでしょう。
[1]:S. Ishikawa, “A New Interpretation of Quantum Mechanics,Journal of Quantum Information Science,” Vol. 1 No. 2, 2011, pp. 35-42. doi: 10.4236/jqis.2011.12005 ( download free)
[2]: S. Ishikawa, “ Quantum Mechanics and the Philosophy of Language: Reconsideration of Traditional Philosophies," Journal of quantum information science, Vol. 2, No. 1, 2012, pp.2-9.doi: 10.4236/jqis.2012.21002 ( download free)
[3]:S. Ishikawa, “The linguistic interpretation of quantum mechanics,”arXiv:1204.3892v1[physics.hist-ph], (2012) ( download free)
また、予備知識がない方は、量子力学をわざわざ勉強する必要はありません。 測定理論の主張(上の③)は、
  • 測定理論がわかれば、自然に統計学や古典力学や量子力学がわかる
からです。主張③のためには、量子言語が統計学を飲み込めばいいのです。
また、二元論的観念論(「プラトン⇒デカルト⇒カント」の系譜)の予備知識も必要もありません。 勉強したところで、上の(A)のような感想を持つだけでしょう。 これらは、結局、「測定理論の視点」から初めて理解できることだからです。
要するに、

予備知識は一切不要で、ドンドン読み進めること

がお勧めです
プロフィール
ニーチェ大好き女子大生です。
哲学
愛読書:
科学哲学序説(著:石川史郎)
(English version)
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  • 3(下):ケルヴィン卿の形而上学
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