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PC遠隔操作事件の教訓 警察に逆らえば「代用監獄」から抜け出せない

【政治・経済】

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2013年3月4日 掲載

「確証なし」でも別件逮捕

<なるほど冤罪がなくならないワケだ>

 PC遠隔操作事件で、警視庁などの合同捜査本部は3日、片山祐輔容疑者(30)を再逮捕した。容疑は、日本航空に航空機爆破を予告したハイジャック防止法違反(運航阻害)と、大阪市のサイトに殺人予告メールを送った偽計業務妨害の疑いだ。

 大阪市への犯行予告では、PCを遠隔操作されたアニメ演出家の男性(43)が大阪府警に誤認逮捕されている。誤認逮捕事件での立件は初めてで、大新聞テレビは、警察がいよいよ遠隔操作事件の“本丸”に切り込んだように報じているが、ウソっぱちもいいところだ。

 実は先月10日の逮捕容疑について、東京地検は「一層の慎重な捜査が必要」として「処分保留」を決定。「起訴はムリ」と事実上、捜査の失敗を認めたのだ。

「東京地検が『処分保留』にしたのは、有罪に持ち込めるだけの確証がないと判断したからです。つまり、弁護側が再三、求めていた『決定的な証拠』を警察が持っていないことを明らかにしたのです」(司法ジャーナリスト)

 すぐに片山容疑者は釈放されても不思議じゃない。それなのに警察は「ハイジャック防止法違反」(最高刑・懲役10年)なんて仰々しい罪状を持ち出し、再び逮捕した。何しろ、遠隔操作が疑われる事件は13件もあるのだ。

「PCネコ男」が完落ちしない限り、勾留期限を迎えれば別件で再逮捕。

 ダラダラと身柄を拘束し続ける気じゃないのか。

「確固たる理由もなく容疑者を勾留し続ける。世界でも悪名高き日本警察の『代用監獄』です。死刑再審となった免田事件や島田事件でも『代用監獄』でウソの自白を強要されたのが問題視され、日弁連は廃止を求めています」(司法記者)

 弁護側は「可視化すれば黙秘権を行使しないし、取り調べにはいくらでも応じますよ」と言っているのだから、警察はサッサと可視化に応じて捜査を進展させた方がいい。こんな「人質司法」がまかり通っている限り、日本から冤罪はなくならないのだ。
~2013年3月4日以前の記事~

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