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復興に力を ~記者たちが見た震災2年~

データで見る震災2年

2万852人

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東日本大震災による犠牲者は、警察が確認している死者と行方不明者は合わせて1万8550人。避難生活などで亡くなった、いわゆる「震災関連死」は復興庁のまとめで少なくとも2303人で、震災による死者・行方不明者の合計は2万852人に上っています。
死亡した人のうち、これまでに99%に当たる1万5751人の身元が確認されていますが、依然として131人の身元はわからないままです。
(3月11日現在。震災関連死者は去年9月末時点です)

31万5000人

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避難所や親戚や知人の家、それに仮設住宅など今も避難先で暮らしている人31万5000人余りに上っています。この1年で2万9000人余り減りました。
避難所は、原発事故で福島県双葉町から避難してきた139人が埼玉県の閉校した高校の校舎で生活しています。この1年で約60人減少しました。
親戚や知人の家などで暮らしている人は、正確な数が把握できない福島県を除いて、去年3月から2200人近く減少して1万5412人。
仮設住宅や民間の賃貸住宅など、「みなし仮設住宅」で暮らしている人は29万9645人で、去年3月からおよそ2万6400人減少しました。
自宅を再建したり賃貸住宅に移り住んだりする人は少しずつ増えているものの、復興住宅の建設が進んでいないうえ、高齢化と雇用など経済的な問題で避難先にとどまらざるを得ない人が大半だということです。
(ことし2月7日現在)

マイナス9076人

NHKが福島、宮城、岩手の3県で去年3月から先月1日までに転出した人と転入した人の数を調べたところ、転出した人9076人上回りました。転出した人が上回る数は、震災発生から1年間の4万4251人に比べると大幅に減少していますが、被災地では依然として「人口流出」が続いていることが分かりました。各県ごとに見てみますと、福島県では、転出した人が1万2276人上回って大規模な人口流出が続き、岩手県も転出した人が2476人上回りました。一方、宮城県は、転入した人が転出した人に比べて5676人多い「人口流入」が起きています。
(ことし3月11日現在)

9000回

東日本大震災を起こした巨大地震の発生から2年間に観測された体に感じる余震9000回を超えています。体に感じる余震は、去年3月までの1年間が7995回だったのに対して、この1年は1582回と大幅に減りましたが、巨大地震の前の状態と比べると依然、およそ5倍の頻度で地震が発生しています。政府の地震調査委員会は、「依然として余震活動や周辺地域の地震活動は活発な状態で、引き続き注意が必要だ」という見方を示しています。

1兆4000億円

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東日本大震災の被災地の復興事業を支援する復興交付金は、これまでに1兆4000億円近くが交付されています。被災地からは使途が限定されていて使い勝手が悪いなどという指摘が出ていたことから、政府は防災センターや緑地公園の整備など被災地の要望に柔軟に対応できるよう支給対象を拡大し、新たに第5弾の交付額として、およそ2000億円を交付することを決めました。
(ことし3月8日現在)

3649億円

NHKと中央共同募金会、それに日本赤十字社などが行っている東日本大震災の義援金は、おととしの3月14日に受け付けが始まり、先月(2月)までの受付金額はおよそ3649億円に達しています。先月1か月だけで5億円近くに上るなどまだ多くの義援金が寄せられていることから、期間を来年3月31日までさらに1年間、延長することになりました。全国のNHKと、中央と各都道府県の共同募金会、それに日本赤十字社の本社と各都道府県支部で受け付けています。郵便振替でも受け付けていて、郵便局とゆうちょ銀行の窓口での取り扱いの場合、手数料は無料です。
振替の口座名と口座番号は「中央共同募金会東日本大震災義援金」00170-6-518、または「日本赤十字社東日本大震災義援金」00140-8-507です。

0.3%

被災した住宅を自力で再建できない人のために2万3000戸余りが計画されている「災害公営住宅」は、建設用地の確保の難航などから、完成したのはまだ84戸、0.3%にとどまっています。
国は建設が進んでいない地域では仮設住宅の入居期間を来年3月からさらに1年間延長して、再来年3月までとする方向で検討を進めています。
(ことし2月28日現在)

35%

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大震災で発生したがれきや津波のたい積物の量は、岩手、宮城、福島の3県で計2669万トンに上り、環境省は来年3月末までに処理を終えることを目標にしていますが、処理が済んだのは35%にとどまっています。
岩手と宮城については、津波のたい積物や不燃性がれきの処理が遅れていること、仮設の焼却炉の設置に時間がかかったことなどが主な原因です。一方、東京電力福島第1原発周辺の8町村のがれきはほとんど手つかずの状況で、仮置き場の設置すら一部にとどまっているほか、仮設の焼却炉も全く設置できていません。
(ことし1月31日現在)

19.7%

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原発事故で広がった放射性物質を取り除く除染は、福島県の11の市町村の避難区域では国が直接行い、避難区域以外の福島県を含む8県の101市町村は、国の費用負担で自治体が行います。
自治体が行う住宅の除染は、対象となる17万9186戸のうち、作業が終わったのは3万5346戸で、全体の19.7%にとどまっています。
環境省は主な原因として、対象となる住宅の数が増えたことや作業内容を巡って住民から合意を得るのに時間がかかっていることなどを挙げています。
(2012年12月31日現在)

1.25倍

ことし1月の有効求人倍率(仕事を求めている人1人に対し、企業から何人の求人があるかを示す数値)は、震災で大きな被害を受けた東北3県では宮城県が1.25倍(前月+0.06ポイント)で全国で最も高くなりました。また福島県が1.23倍(前月+0.05ポイント)、岩手県も1倍(前月+0.05ポイント)で、3県ともに震災以降で最も高くなりました。全国平均は0.85倍です。
厚生労働省は「宮城、福島、岩手の3県では復興関連の求人が堅調だが、建設業などを中心に雇用のミスマッチが起きている。引き続き状況を注視する必要がある」としています。

110万人

東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島の3県で、震災の被害によって仕事を離れたり収入が減ったりするなど、仕事に何らかの影響があった人は合わせて110万人余りで、仕事に就いていた人の43%に上っています。
内訳をみますと、仕事を離れた「離職」が8万1400人、仕事を休んだ「休職」が63万8500人、収入が減ったり勤務時間が短くなったりするなどの「その他」が38万5600人となっています。
また、「離職」した人の41%に当たる3万3600人は、震災から1年半後の調査時点でも仕事に就いていませんでした。「離職」したあと再び仕事に就いた人の56%が、パートや派遣社員などの非正規労働者となっています。
(総務省調べ・3月8日現在)

44%

宮城県石巻市で、今後、介護が必要な状態になるおそれが高い高齢者44%に上り、全国平均よりおよそ20ポイントも高くなっていることが、厚生労働省の研究班の調査で分かりました。
専門家は、「被災地の高齢者は仕事を失うなどして外出の機会が減っているほか、狭い仮設住宅での活動量も減ったため、体の機能が落ちており、要介護者が急増する可能性がある」と指摘しています。

41種類

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、福島県の沿岸でとれる魚介類の放射性物質の濃度は低下する傾向にありますが、今月3日現在、福島県では41種類の魚介類の出荷が制限されていて、岩手県や宮城県、それに茨城県でもスズキなどが出荷制限の対象となっています。福島県沿岸ではキチジやミズダコなど13種類で試験操業が行われていますが、2月20日に広野町の沿岸でとれたマコガレイから1キログラム当たり780ベクレルの放射性セシウムが検出されるなど今も、魚の10%ほどで食品の基準を超えています。
福島県沿岸の漁業の本格的な再開に向けては、こうした一部の魚で続く基準超えの原因解明が大きな課題になっています。