問合せ先:健康局 健康推進部 生活衛生課(06-6208-9996)
平成25年2月26日21時30分発表
平成25年2月25日午後4時頃、患者から「平成25年2月23日午後6時頃から『万(まん)よし』(大阪市中央区東心斎橋2丁目5番8号)を2名で利用し、てっさ、焼き白子、てっちりのフグ料理を喫食していたところ、自分のみが午後6時30分頃から口唇、手足のしびれ等の症状を呈した。」旨の届出が天王寺区保健福祉センターを通じ保健所東部生活衛生監視事務所にありました。
調査したところ、患者グループは『万よし』において、てっちりに入れて提供されたトラフグの肝臓を喫食しており、うち1名が喫食開始30分後から口唇や四肢のしびれなどのフグ毒による食中毒様症状を呈したため、天王寺区内の病院に入院していたことが判明しました。
また、提供されたトラフグの肝臓は、平成25年2月23日に『丸兼水産株式会社』(大阪市浪速区戎本町1丁目2番21号)から食用として仕入れられていることが判明しました。
本日、医師から、フグによる食中毒であると届出がなされたことから、『万よし』を原因施設とするフグ食中毒事件と断定し、『万よし』に対し、本日から3日間の営業停止を命じるとともに、トラフグの肝臓を食用として『万よし』に提供した『丸兼水産株式会社』に対しても、本日から3日間の営業停止を命じました。
なお、患者はすでに快復し、退院しています。
〔調査の概要〕
【発症者数】 1名〔女(44歳):入院1日〕
【主症状】 口唇・四肢のしびれ、四肢の筋力低下
【原因施設】
名 称:万よし
所在地:大阪市中央区東心斎橋2丁目5番8号
営業者:中原(なかはら) 彦(ひこ)
業 種:飲食店営業、ふぐ販売営業
【原因食品】 トラフグの肝臓
【原因食品の仕入先】
名 称:丸兼水産株式会社
所在地:大阪市浪速区戎本町1丁目2番21号
営業者:丸兼水産株式会社 代表取締役 川村(かわむら) 英志(えいし)
業 種:魚介類販売業、ふぐ販売営業
【フグ毒について】
フグ毒の主成分はテトロドトキシンとよばれ、熱に強いため通常の加熱では毒性はなくならず、毒性の強さは青酸カリの千倍以上ともいわれています。フグ毒はフグの肝臓や卵巣などの内臓、フグの種類によっては筋肉、皮にも含まれ、特に内臓に含まれるものは毒性が強いことで知られています。
人(大人:体重50kg)に対するフグ毒の最少致死量は、約10,000MU(マウスユニット:毒量をあらわす単位で、体重20gのマウスを30分で死亡させる量が1MU)といわれています。例えば1g中にフグ毒500MUを含む臓器の場合、20g程度(500MU×20g=10,000MU)食べても体重50kgの大人が死に至ることになります。
【フグによる食中毒の症状】
フグ毒の主成分であるテトロドトキシンは神経を麻痺させる神経毒です。口唇舌端、四肢末端の麻痺にはじまり、ついで頭痛、嘔吐、運動及び知覚の麻痺をきたし、最終的には呼吸中枢の完全な麻痺による呼吸停止により死亡します。
【参考】
平成25年2月25日現在の食中毒 1件 3名(本件を含まず)
平成24年2月25日時点の食中毒 5件 63名
フグによる食中毒(過去5年間) 0件