飲酒運転条例:「積極的に」 小佐井良太・愛媛大准教授、県議会に提言 /広島
毎日新聞 2013年03月08日 地方版
県議会で飲酒運転根絶に向けた条例制定の検討がされていることに絡み、県議会予算特別委員会で7日、飲酒運転事件に関する法のあり方を研究している小佐井良太・愛媛大准教授(法社会学)が参考人として政策提言をした。小佐井准教授は「飲酒運転対策は地域の政策課題。積極的な検討・議論を進めていただきたい」と条例制定の必要性を訴えた。
条例制定を巡っては、安佐南区の県道で飲酒運転の車にはねられ、死亡した崇徳高校2年、三浦伊織さん(当時16歳)=同区相田7=の遺族が昨年5月、福岡県が始めた全国初の罰則付き条例と同様の条例制定を求める要望書を提出した。これを受けて、県議会で勉強会が開かれている。
小佐井准教授は、福岡県の条例制定に向けた検討会でも提言をした。この日は飲酒運転の再犯率は高く、厳罰化による飲酒運転の減少効果には限界があると指摘。医療と連携した再犯防止プログラムの構築や、酒気を検知すれば車のエンジンがかからない装置「アルコール・インターロック」の活用など、根絶には多様な取り組みが必要と強調した。
そのうえで、条例制定は飲酒運転をしない動機付けにつながるとし、仲間内や飲食店でも飲酒運転をしないよう声をかけやすくなる効果を説明した。一方、「罰則はあくまでも実効性を持たせる一つの手段に過ぎない」として、飲酒運転をしないことの「推奨」に基づいた施策の工夫を求めた。【中里顕】