煙霧により見通しの悪くなった都内。東京・大手町から晴天時（左、平成２４年５月撮影）にくっきりと見える東京スカイツリーの姿も消えた ＝１０日午後（桐原正道撮影）
北海道付近を通過した低気圧に向け、南から暖かい空気が流れ込んだ影響で、東日本を中心に１０日朝から各地で気温が上昇。
東京都心は最高気温が２５・３度となり、明治９年の統計開始以来最も早い夏日（最高気温２５度以上）となった。都心で３月に夏日となったのは昭和１６年、平成９年に続き３度目という。気象庁によると、この日の国内最高気温は東京都練馬区で、午後０時４９分に２８・８度を記録。国内２９地点で３月としては観測史上最高（過去タイ１地点含む）となった。
ただ、午後は寒冷前線の通過で気温が急降下し、各地で強風を観測。練馬区では午後２時に１６・４度と、１時間あまりで１０度以上下がった。都心では最大瞬間風速１８・８メートルの風が吹き、地表のちりが巻き上げられたことで、大気が白くかすんで霧のように見える「煙霧（えんむ）」が発生した。
煙霧は乾いた微粒子により水平方向に見通せる距離（視程）が１０キロ未満となっている状態で、視程は一時２キロまで低下。黄砂とは関係がなかったが、気象庁には「黄砂ではないか」との問い合わせが相次いだ。西日本や北陸、東海などでは実際に黄砂が観測された。
気象庁は１０日、急速に発達しながら北上する低気圧の影響で、北日本（北海道、東北）で１１日朝にかけて暴風雪になる所があるとして警戒を呼びかけた。