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能登先生の発表の食事内容を具体的に紹介しましょう

能登先生が死亡率を高めるから危険だと指摘した糖質制限食。

ずいぶん影響力がありました。


「糖質制限すると体に悪いってよ、やめた方がいいんじゃないの?流行に乗せられちゃって。」

先日、数年ぶりに知人にあって、痩せた姿を褒められましたが、糖質制限していると言うと、すかさず帰ってきた言葉がこれでした。

知人は逆に往年の面影なく、でっぷり太っていました。


「誰がそんなこと言ってたんですか?」

とわたしが聞いたら、

「朝日新聞に書いてあったわよ。」

思わずプッと吹き出して、

「ああ、あれね、あれは勘違いな記事で、糖質制限のことを書いてるんじゃないんですよ。」

って説明しようとしたら、

「だって新聞に書いてあったんだから。東大かどっかの先生だったわよ!」

「いや、僕も医者なんですけど。」

「あなた内科の医者じゃないじゃないの、東大の先生が新聞に嘘書くわけ無いでしょう、知らないわよ早死にしても。」


・・・最後の言葉はあんたに返すよと思いながら、それ以上説明するのをやめて、話題を変えて流しました。



でも、ちょっとむかついたので、ここで、わかりやすく、しつこく、書いてみます。

能登先生が論文を解析して危険だと主張して、朝日新聞に大きなスペースを割いて批判した糖質制限食。

あそこでやり玉に挙げられていた糖質摂取量というのは、カロリー比にして35%~40%の糖質摂取量です。


カロリー比にして35~40%の糖質摂取量になる食事ってどんなものか、具体的にお見せしますね。

これです。

ビッグマック.png


ダブルパテのハンバーガーなら30%前後の糖質量ですから、 これに加えて炭酸清涼飲料水のSサイズを飲めば、能登先生が言うところの糖質制限食になります。

これが、「危険な糖質制限食」と定義される糖質30~40%に収まる食事の代表例です。


それに対して、能登先生が「安全な高糖質食(60%前後の糖質摂取)」と定義する代表格はこれです。


吉野家牛丼.png

日本の誇るファストフード、牛丼

これは糖質59%、カロリーは「ダブルバーガー+コーラのSサイズ」とほぼ同等になります。

論文で比較されていた糖質摂取者は60~70%の糖質を摂取している群でしたから、これにコーラのSサイズを追加してもいいですね。




毎日三食、牛丼を食べている人と、毎日三食、ダブルバーガーとコーラを食べている人。

その両者を比較したら、ダブルパテのハンバーガーを食べている人の方が死亡率が高い。

だからダブルバーガーを毎日食うよりも牛丼毎日食べなさい。


能登先生が集めてきた大規模リサーチというのは、どれもそう言う研究です。



・・・断じて、糖質制限食と高糖質食を比較した研究ではありません。

そんな内容なのに、マスコミを使って糖質制限は危険だというネガティブ・キャンペーンをうつ。

詭弁を弄するとはこのことです。

(私にこの記事も、もちろん詭弁を弄しているという批判を受ける余地を内包していますけどね(^O^))

そして、権威ある新聞が発表した内容に人々はいとも簡単に情報操作されてしまうのです。




ひとつだけ、これら二つの食べ物とその業界の名誉のために申し上げておきますと。

ハンバーガーも、牛丼も、どちらも安くてお腹がいっぱいになる、運動量の多い若者にとっては素晴らしいファストフードです。

現代日本の安い労働力を支えた国民的な食事であると言ってもいいでしょう。

働く大人にとっても、お金がないときには涙が出るほどありがたい食べ物です。


私も高校生、大学生、いいえ、30代前半ぐらいまでは頻繁に食べていました。

35歳過ぎて、肝機能が引っ掛かるようになってからは食べる回数を減らしましたが、それでも好きだからときどきは食べていました。

ありがとう、感謝しています。




「新聞に書いてあったわよ、糖質制限は危険だって。」


・・・いいえ、いいえ、いいえのいいえ、違うんですよ。

新聞に書いてあったのは全く別の話なんですよ。

詭弁に騙されないでください。


あれは、牛丼とハンバーガー、ひたすら食べ続けるならどっちが死亡率が高いだろうかというレベルのお話です。

ハンバーガー食べ続ける方が、牛丼食べ続けるよりも1.6倍ほど死亡率が高い、そういう結論につながるお話です。


糖質制限をきちんと理解して食べている人なら、どちらも絶対に食べることない食事内容の比較です。

こういうのを「濡れ衣着せられる」、っていうんですよ。




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マ〇ド〇ルドにも吉〇家にも恨みはありませんが、わかりやすいので引用させていただきました。

どちらも、安くておいしい、素晴らしいファストフードです。

若い人や体をよく動かす人が適度に食べるには素晴らしい食べ物だと思っています。


でも、運動しない中年以降の方は、一日三回それで済ますのはお勧めしません、せめて晩御飯は糖質制限しましょうよ。



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コメント(4)

更新待ってました。

能登氏の研究って突っ込みどころが多すぎて困っちゃう、はっきり言ってフツーの企業ならお前雑やな~のレベルですよね。牛丼とハンバーガーの例えだけで論破できちゃうわけですから。他にもトランス脂肪酸は?とか植物性蛋白と動物性蛋ほb白の差は?甘味料や塩分ですとか寿命を考えれば今ホットな話題はいくらでもあるでしょうに。さすがに喫煙、飲酒、運動や職業なんかのバイアスは考慮してると思いたいですが。

さてちょっと異論があるのですが若い世代でもハンバーガーや牛丼(米やパンは言うに及ばず)避けるべきじゃないでしょうか。と言うのも自分がハウスダストアレルギーや朝の目覚めの悪さ(起立性障害と言うそうですね)に幼少期から悩んでいたからです。糖質制限を始めて一年これらからほぼ完全に脱却していったい俺の30年余りはなんだったんだとwいやほんと同級生の半分ぐらいお前が会社勤めなんて無理と思われてましたからね、ほんの少しの行き違いでひきこもりになってたかもしれません。

久々にモスバーガー食べたらたいして美味しく思えませんでした、反対にモスチキンが骨まで美味すぎるなと。味覚も変わるんですねえ。

 お帰りなさい。少し心配しておりました。
今回の比較、とても分かりやすいです。
どちらにしても、いかに糖質が多いかですね。
 
 私の検査結果ですが。
        2012年6月   2013年2月
     発病時
HbA1c(NGSP) 14.5       5.5
中性脂肪      234       56
HDL          40      61
LDL   202      151
血圧      130-80     115-75

これで、血管障害や心筋梗塞の危険が増えるとは考えられません。
 いまだに、ご飯一膳食べると、食後血糖200越えですが。

能登先生の元になった研究、そもそも糖質をどうチェックしたのか疑問です。
 「糖質制限危険?」と報道するマスコミもどうかと思います。
ブログの再開、うれしいです。

  

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