東京電力福島第1原発事故から丸2年を迎えるのに合わせ、福井県内の反原発団体などが呼び掛けた集会「3・11メモリアルアクション―原発のない新しい福井へ」が10日、福井県福井市のフェニックスプラザで開かれた。福島県内の被災者らが「福島の苦しみを二度と繰り返させない」などと訴えたほか、参加者が全原発の廃炉を求めて市街地をデモ行進した。
集会は、昨年3月に敦賀市で開いたのに続き2回目。県内の反原発団体や市民ら約1千人(主催者発表)が参加し、リレートークや反原発の歌を合唱するなど多彩なステージを繰り広げた。
福島第2原発が立地する同県楢葉町出身で反対派の早川篤雄さんが「フクシマのいま」と題して講演。事故の収束はいまだに見えず、早川さんは「立地4町は元の町の姿を取り戻すことはなく、消滅したと思っている」と故郷を追われた避難者の心境を吐露した。
また、県民にとって今は賠償問題が切実だとし「東電は賠償額を一方的に押し付けている。苦痛に応じた損害、どこで生活しても再出発できる賠償を求める」と訴えた。
県内の反原発団体の代表者らも次々と登壇し、「第二の福島事故を防ぐためにも再稼働を認めず、廃炉を急ぐべきだ」などと強調。集会のスローガンとして▽原発のない新しい福井をつくる▽大飯原発3、4号機を止める▽高速増殖炉「もんじゅ」を今すぐ廃炉にする―の三つを宣言した。
集会後、参加者はフェニックス通りなど約2キロをデモ行進し、「福島を忘れるな」「危険な原発はやめよう」とシュプレヒコールを上げた。