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SS投稿用スレ
1
:
maledict
:2007/12/26(水) 21:31:15
まずは立ててみましょう。
92
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:12:52
明日テストですが、完成したので投下します
エピソード11:「せめて哀しみと共に」
無機質な白さが不気味に思える。ホーネットマリオン・クイーンフォームが地に着く瞬間、床がビキビキとヒビが入っていった。
それは物理的な重量ではなく、強大な゙気゙からの影響である。その圧迫感は誰かと似ている。
(やっぱり………この゙気゙はユミちゃんに似ている………)
その゙光゙の性質は逆であっても、存在としては同等である。さらには彼女の腕から生えだした弓状の武器が威圧感を増している。
また、クイーンフォームとなったホーネットマリオンの右目には絃で紡いだような十字架が浮かんでいた。
「大首領様によって埋め込まれだ聖痕゙〈スティグマ〉………これで私の潜在能力は限界以上に引き出されているわ」
「限界………以上に?」
ホーネットマリオンがジークフリートをサキに向ける。゙光子゙が集まって針の形に変わっていく。
ビュン………
サキの顔を何かが掠めた。ホーネットマリオンの手には針がないことから、撃ったのだろう。
外れた?いや、外したのだ。針は体育館の壁を貫くどころか触れた場所から砕いてしまっている。
「今のは貫通よりも破壊させることを意識して大きめに作ってみたわ。だから遅かったでしょ?」
今のですら遅いとはハッタリだと一言が出ない。正直、避けれなかった。
「………強化形態なんてイキなものを………」
槍状に伸ばしたビースティンガーを手に、サキは滑空する。左方から飛針を撃った後、円を描きながらしながら近づいていく。
ホーネットマリオンもジークフリートから針を精製・発射をする。その速射性から全てのビースティンガーを破壊し尽くす。
その時には背後に回っていたサキの槍が背中を狙う。しかし、ホーネットマリオンは手で先を掴んで飛針をサキへ向けて撃った。
93
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:14:46
右肩を掠め、針は体育館の壁を砕いた。サキは左の拳を捻るようにしながらホーネットマリオンを殴る。
しかし、痛がる様子はほとんどない。むしろニヤニヤと嬉しそうにしている。それば力゙の差を感じ取ったからだろう。
両者は1年の間、数回戦っている。己の能力、相手の能力が手に取るようにわかっていた。双子ゆえの互角の力だったはずである。
だからこそ、今まで決着が着かないまま時は過ぎていったのだ。しかし、ここに来てその力バランスは狂いだした。
「やっぱり………聖痕の力は素晴らしいわね」
弓の部分が長刀のように伸び、サキの腹部を斬る。ブシャア!!、と血が噴き出るが、構わず胸からビースティンガーを撃つ。しかし、顔面寸前で針を受け止められてしまう。
しかも右手の指で一本ずつ、まるで見せつけるように皮膚との寸という差で止めていたのだ。
「な………」
さらに右脇腹、左肩へとジークフリートからの針が打ち込まれる。
「があっ…………」
「あらら?゙力゙の差が大きすぎて戦いにならないわね………イジメは良くないのにね」
指から針を落とすとチャリンと音が鳴る。ガクガクと震える脚がその痛みを表している。
動物的な本能、人間の感情。どちらも自分と姉の戦闘力の差を痛感させた。心の奥底から思い知らされる。それはまさに、゙恐怖゙。
「ふふ………あなたは昔から私に何一つ勝ったことなんてないじゃない………それが現在もそうだというだけよ」
あの自信が来るのはあちらも自覚しているからだ。自分との差が、゙聖痕゙によって引き出されている゙力゙を上回る゙力゙を持つはずがないと。
「今なら許してあげるわ。ヘルマリオンに戻ってきなさい。そうすれば、あなたも私同様に゙聖痕゙を享受しで力゙を得れるわ」
94
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:15:57
「何をふざけて………………」
「あなたは何もわかってないようね」
゙聖痕゙をまじまじとサキに見せる。゙神゙の瞳を持ってして得たその圧力はただいるだけでも気圧されてしまう。
「あなたはヘルマリオンを誤解しているわ」
「??」
「ソルジャードールに施されるの生物の遺伝子を組み込んでの肉体強化と、洗脳による組織への服従」
それが何だというのだろう?。今さら言われなくても十二分に承知している。
「便宜上洗脳と言ってるけど、正確には違うわ。人間の理性を無くし、本能のみを引き出すのが目的……」
「え………」
「ソルジャードールは決してただの戦闘人形ではない。本来生物が持つ殺戮本能を引き出しただけの゙人間゙なのよ!!」
「!!?」
理性。それは自律神経の発達が他の生物を遥かに凌いでいる人間が持つもの。
あらゆる欲望を持つことは生物の常だが、理性はその本能を制御出来る。それが欲望を向上心へと変え、人間は地球の覇者となったのである。
理性を取り除いて、本能に支配された肉体は忠実だ。力を思うように振るい、殺戮すら許容する。
「今まであなたが戦ってきたソルジャードールもそう………脳のリミッターを外しただけ。彼女達が望んでいたことなのよ!」
「そ、そんなこと………」
ホーネットマリオンは羽根を広げる。白いドレスを着たような姿はまさに女王である。
「世界は嘘をついている!。虚偽と欺瞞に満ちている!。ヘルマリオンは世界の嘘を暴き、本来あるべき姿を創造する゙神゙なのよ!!」
彼女は高らかに語った。世界は確かに嘘をついてるかもしれない。自由と平等を触媒に民主主義を生み出した。
だが民主主義のもたらした結果は何だ?。官僚は腐敗し、幸福と富裕を尻目に不幸と貧困が存在しながらも見て見ぬフリをしている。
95
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:17:08
だが、それでも自分は人間の可能性を信じている。醜さはあるかもしれないが、美しさもあることをあの子に教えられたから。
「私は人間の英知はそんなものは乗り越えられると信じてる!」
「アハハハハハ!。そんなの茶番ね。だって私が証明してる。私はこんなにも血を求めているのだから」
「!!?」
その言葉を聴いてサキは目を尖らせた。゙あれ゙はサヤじゃない。いつだって人というものを愛していた、憧れの姉ではない。
本当に望んでいるわけではない。そうだ、きっと洗脳によって思いこまされてるだけだと。
「………もう、心から笑うことも…………忘れてしまったのね………」
しかし自分が抑えられない。ヘルマリオンにこそ憎しみを向けなければいけないことも、サヤを救わなければならないことも、今はどうでも良くなってしまった。
仮面に固められたような笑みが苦しめてきた人達を思うと胸が痛む。
(ごめんねユミちゃん………)
2本のビースティンガーを持ち、サキは構えた。その目はユミと出会う前の、゙ディソルバー゙として戦っていた時の目をしていた。
(今だけは、私はディソルバーとして戦う!!)
もう見てられなかった。かつての友を手にかけ、平然としている。綾香達は洗脳と戦おうとして、死んでいったというのに。
なぜ戦おうとしない?完璧なはずの洗脳に立ち向かっていた友人もいた。勝った子供達がいたのだ。
それこそが゙心゙だと言った子がいるのだ。人間が持てる最高の財産だと、教えてくれた………。
「サヤ!!。あなたは………私があああああッッ!!」
床が切り裂けるほどの勢いでサキは飛翔した。がむしゃらに槍を振り回すのではなく、高速の連突きのみを集中して行った。
「はあああああああああ!!!」
羽根とジークフリートの長刀で流しながらサヤは舞うように避けていく。それすら美しいと感じてしまうのは決しておかしい感情ではないのだ。
96
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:18:22
ホーネットマリオンがくるりと手を回すと槍と同時に腕も下がった。その間にジークフリートには数多の゙光の矢゙が出来上がっていた。
「天使たちの葬送曲を聴かせてあげるわ………゙クリス・フューネラル゙」
百にも及ぶであろう光の矢が一斉に放たれる。寸でで避けるが、ホーネットマリオンの操作によってサキを追尾していく。
「こんなの………避けきれるわけが………」
「じゃあ、あなたの負けね」
光の矢に気を取られていて背後をとられたのに気づけなかった。ジークフリートの刃がサキの背中を斬り、左の羽根も一緒に切り落とされてしまった。
「しまった……可翔能力が………」
体育館の屋根はその着弾で吹き飛んだ。煙が晴れてきたころ、ホーネットマリオンは地に足をつけた。
ゆっくりと歩いていく。煙幕を裂き、白い手が何かを掴む。それはサキの頭であった。
体の所々から垂れている血の部分が゙クリス・フューネラル゙の残忍性を表している。刺さっている光の矢は役目を終えたように消えていく。
「もう虫の息か」
一方のサキはとても言葉の一つ一つに応対できる気力は残っていなかった。厄介な事に神経すらも断たせているらしく、手と脚が動かない。
「でもこれであなたは私の下へ戻ってくるわね」
アナザーラーヴァを起動させ、サキの体をそちらへと投げ捨てる。機械触手が彼女へ絡まりつき、まるで寄生虫のように貼りついた。
「アナザーラーヴァ第2形態゙パラサイトアダプター゙。全ての触手を切らない限りは脱出は不可能よ。まあ、今のあなたには無理でしょうけどね」
中心部にある窪みがサキの胸へと判子注射のようにピタリと引っ付く。触手もバイブレーションを開始して、傷だらけのサキの体を浸食し始めた。
触手の1本が彼女の口の中へと入ると、一斉に白色の液体を流し込んだ。ネチョリという感触は体のどの部分も感じていて、全ての触手から白濁液が放たれているようだ。
97
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:19:47
「あなたはミツバチから別の種へと変化させるわ。それぞれ、別の姿のがいいでしょ?」
サキは何とか意識を保ってはいるが、衝撃が体を走っていて今にも頭が白くなりそうだった。
擬似的な性交になるため、サキは女としての快楽を感じてしまうのが悔しい。
(ああ………私は結局何も出来ずに改造されるのね…………)
今まで姉や友のために戦ってきたというのに全てを否定されているようだった。これが運命というならば、悔しいが受け入れるしかないのかもしれない。
そう思って眼を瞑る。逆に考えれば楽かもしれない。人類や生命などの重荷を背負う必要もない………そう、何も考える必要は………。
――バサ………――
「!!?」
暗闇の中でヒラリと光る羽があった。それはとても優しく、温もりを持ち、純白を保っていた。
手を伸ばせば届きそうなのに、遠くに感じてしまう。これが自分とユミの距離なのだろうか?
(ユミちゃん………そう、あなたは自分の道を染まることなく進むのね………)
変わらないからこぞ変わっていける゙。その自分のまま、彼女は道を歩んでいく。例え困難があろうと、希望を常に抱いている。
ならば自分は何だ?。彼女は自分に何をしてくれた?。そう、彼女は自分に自分でいていいと言ってくれた。
自分ば自分のままで゙変われた。でも、独りでは得られなかった変革だ。
「そう………私は独りじゃない………。前の私じゃない……」
既に筋力の無い腕で揺れる触手を掴む。そして、思いっきり力を入れて引きちぎった。
「バ………バカな………」
全ての触手をサキは振り解いた。ホーネットマリオンは信じれなかった。あの体のどこに力が残っているのだろう?
「私ば闇゙………。゙光゙を知ってより濃く、深い゙闇゙を得た………これが悪ならば、悪業を背負って、巨悪を討つ!!」
98
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:21:23
脳内で見えた羽は既に見えない。確かにそこに存在するが、闇に同化して見えなくなっていたのだ。
流れていた血が赤から黒へと変わり、サキを囲っていく。ドロッとしたと思うと、全て1点へと集中していく。
現れたのはホーネットマリオン・クイーンフォームとは対極の彩色をしていた。金と黒で構成された体色は見るものを圧倒しながらも、美しさで惹いてしまうようだ。
「それは………何?」
「゙絆゙の力が私に進化をもたらしたみたい……。ビーマリオン・エンプレスフォーム!」
女帝………それがサキの得た力だった、゙光゙を知り、゙闇゙もただ殺めるための力でないことも。
「ふん………。いくら姿を変えても、所詮は私の猿真似………゙神゙の力を得た私には適わないわ」
「舞うのよ………゙ワルキューレ゙」
サキはググッと両手に力を入れた。強く握ったせいで血が垂れてくる。だが、それこそが彼女の武器。
血がやがて巨大な槍と変化する。巨大なトゲのような黒きランスの柄の部分を連結させ、回転させる。
回転を止めると、その位置から体育館の床がバリバリと砕けていった。
「この゙ワルキューレ゙は私の血から作ったランス。闇を纏い、悪を貫く破砕槍」
「あなたの闇なんて………私の聖なる光で消し飛してあげるわ!!」
光子を゙ジークフリードに集め、99本の矢を作る。それを一斉に空へ放ち、自らは長刀を開いてサキへと向かっていく。
「はあああああ!!」
ぶつかった瞬間に火花が散る。互いに力を込めているが、長刀はカタカタと震えている。
(お………重い………)
ホーネットマリオンは全力でしているのに、サキは余裕さえ見える表情だった。やがてワルキューレを纏ゔ気゙によって長刀が砕けていく。
「く………」
破砕槍とはこういうことか。自らの血を媒体としで気゙で固め、その゙気゙で相手を貫き砕く。上手い具合に出来ている。
99
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:22:52
「でも、ジークフリートの真骨頂は矢にあるわ!」
さっき放たれた矢が降り注いでくる。サキはバックステップをして避け、羽根を振動させて飛翔する。
光の矢は床を貫いたかと思えば、再び地中より現れてサキへ向かっていく。
「しつこいわね………」
ワルキューレを回転させて矢を弾いていくが、砕けたはずの矢は再構築されて四方からサキへと襲いかかる。
「な…………」
ワルキューレに゙気゙を集めて振り撒くように回す。幾つかは相殺したが、流石に99本全てを避けることは出来ずに肉への侵入を許してしまう。
「ぐ…………」
「ハハハハ!!あなたは結局私には勝てないのよ!」
刺さった部分から血が垂れていく。しかし、その血は地面へは着かずに一点へと集まっていく。
「これは……………?」
「言ったはずよ。私の武器は血から造られると…………゙リリス・オウヴァリー゙」
集まった血ば気゙を注がれて肥大化していく。やがて人ほどの大きさになり、゙魔女の卵巣゙という名に相応しいほどに禍々しい゙気゙が生じていた。
「さあ、産まれるのよ゙ビービッド」
産まれるという表現が間違ってると思えるくらいに、子供の頭くらいの大きさの蜂が生々しく出てきた。
それも8匹も。視ていると気持ち悪くなるような場面だが、生まれ出だビービッドはサキと同じ彩色模様で美しく思える。
「これは私の意思で遠隔操作出来る半生体武器よ。出すのは針じゃなくてビームだけどね」
ビービット達は命じられた通りホーネットマリオンへ向かっていく。彼女を囲むと、一斉に尻からビームを撃ちだす。
「ぐ………う…………」
着弾すると思っていたよりもダメージが大きかった。ホーネットマリオンはジークフリートから矢を放ってビット達を狙う。
大きさが大きさなのですぐに当たるかと思えばそうではなく、意外にも速い。サキの支配下にあるとはいえ、それぞれが゙生きでいるため自己の思考でかわしているのだ。
100
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:24:21
何匹かを撃ち落とした。しかし、斃された分のビービットがすぐに゙リリス・オウヴァリー゙から補充されてしまう。
「フフフ………さあ、この地獄をどう切り抜ける?」
「ぐ…………」
台詞だけならどちらが゙悪゙の組織からの刺客かわからない。サキはその間にカンガルーマリオンへと近づいていった。
胸を手でぶにっと握る。すると乳首から金色の蜂蜜が出てくる。それを飲ますと、元の人間の姿へと戻っていった。
「馬鹿な………何をしたの!」
「゙ヒーリングハニー・スイーヅは従来の能力を強化し、ソルジャードールのDNAを消去は出来ないけど暫くの間封じることが出来る………らしいわ」
何かが語りかけてくるようだった。それが創造主と呼ばれる者なのか、由美なのか、自分自身なのかはわからない。
自分の持つ能力を自分は理解している。そしてその゙力゙をどう使うかも、自らが考える戦いも。
「サヤ…………あなたもこれで………」
゙ヒーリングハニー・スイーヅをネチョリとホーネットマリオンの口に入れようとする。だが、彼女は手を弾いてジークフリートをサキの喉元へ突き立てる。
「ふざけるな!私は………私はヘルマリオンのホーネットマリオン!!殺すなら早く殺しなさい!!」
――゙早く殺しなさいよ!!゙――゙
同じだ。由美と戦った時の自分と同じ…………。昔の自分ならばその通りにしてたかもしれないが、今は違う。
サキばヒーリングハニー・スイーヅを再び手に垂らし、ホーネットマリオンの口の中へ無理矢理押し込む。
「ん………あ………ううん………」
金色の蜜がホーネットマリオンへと注ぎ込まれていく。どんどん体は熱くなり、サキが手を離すと喉へ手をかける。
毒に苦しんでるのではなく、毒が苦しんでるのだ。ホーネットマリオンは涙を流し、汗も大量に出てきている。
101
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:26:11
「あ………いや………えぐぐ………ぎひいいいい………」
するとどうだ。ホーネットマリオンの瞳と顔つきがサヤへと戻っていくのがわかる。
長かった。今、この手に姉が戻ってくる…………サキは確信して口を開いた。
「お姉ちゃん」
怯えるような眼でサキを見ている。その顔は間違いなくサヤである。洗脳くらいしか解けないが、今はそれで充分なのだ。
「サキ…………」
「お姉ちゃん………お姉ちゃん!!」
抱きつくサキ。ああ、久しぶりに姉に゙愛゙を持って触れている。ついつい涙ぐんでしまう。
サヤの手もサキの背中へと向かう。ついに、ついに取り戻せたのだ。愛する姉を…………。
「……サキ………」
「いいの………今は何も言わないで………」
「そう………?」
゙ドズッ!!゙
「え…………?」
背中に痛みを感じる。しかも深い。血もビビュッと流れ出て行き、サキは膝を地面へ着けてしまう。
「あら……ごめんなさい」
サヤの左手の爪が異様に伸びている。これが゙ジークフリードの片割れであることも予想の範囲内であろう。
「ただのソルジャードールと同じと思うな………私ば聖痕゙(神の証)を持つ使徒。悪魔ごときに呑まれるはずがない」
さっきよりも聖痕が強く浮き出ている。゙神゙と証すべきに相応しいと誇るための………。
「…………サヤ………??」
顔を見て驚いた。やはり自分は間違ってないようだ。右目の゙聖痕゙とは裏腹に、左目は涙を浮かべている。
「サキ……良く…………聞いて………。私が……自我を取り戻せるのはこれが最後かもしれない……」
戦っているんだ。゙サヤ゙どホーネットマリオン゙が。自分が信じていだ絆゙はやはり正しかった。
「゙聖痕゙は元来゙デスティニー・チャイルド゙の方々しか持てない不幻の瞳………RHR能力でなければ取り除けないわ」
この声の主はサヤであることは声色でわかる。まるで、自分がもう助からないかのような台詞回しである。
「躯を無理に強化したせいで、私は長く待たずに崩壊するわ………だから、その前に………」
102
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:30:32
「サヤ……お姉ちゃん?」
その先の言葉は聞かずともわかる。彼女は躯と、命さえも踏みにじられようとしている。
それがソルジャードールの宿命だというのか?。それを変える手段が今なら溢れているというのに。
「お願いサキ………………………死んで………」
何かが消えた。゙聖痕゙を刻まれた眼がサキを見下ろしている。伏せた顔を上げ、サキは飛翔するとワルキューレを構えた。
「そうよ!私達は戦う以外に生きる゙道゙はない……ゴホッ……………、ここで朽ちるのは………お前だ!!」
血を吐き出している。本当に体内組織が崩壊しているのだろう。
ホーネットマリオンばクリス・ヒューネラル゙を放った。矢の数は先程の比ではない。何百という矢がサキに向かっていく。
「お姉ちゃん……………さよなら」
一筋の涙と共に、ビービットが自爆しで闇゙が広がっていく。その゙闇゙は辺り一面を覆い尽くし、゙クリス・ヒューネラル゙すらも飲み込むように消し去っていった。
「何なの?この空間は…………」
何も見えない。重苦しい空間だが痛みも苦しみもない。通常と変わらない。しかし、光の矢を消し去るほどの゙闇゙なのは秘密があるはずである。
「サキ!出てきなさい!」
゙ブウウウウゥゥゥゥゥン゙
彼女が滑空するのがわかる。なるほど、この空間は視覚を奪って接近し、敵を貫くためのもの。そんな小細工をするとは笑えてくる。
「甘いわね……全方位に最大出力の矢を放てば………」
より一層力を引き出せば崩壊が早まってしまう。それでもホーネットマリオンは遺伝子に刻まれた宿命に従って動こうとしている。
「ごめんね………」
゙闇゙が縮まっていく。その゙闇゙はホーネットマリオンの周り8点へと集まっていく。
103
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:32:43
「これは………!?」
周りは8人のサキがいた。全員同じ姿をしていて、ワルキューレを構えている。
「こればシャドー・アバター゙。私の血を媒介にしだ闇分身゙。これであなたは一撃で戦闘不能になるわ」
「ふん…………数が増えたところでオリジナルを下回るのはわかる」
「お姉ちゃん………私からの手向けよ………貫かずに眠らせてあげる…………」
一斉にホーネットマリオンへ向かって突進していく。ホーネットマリオンは実体が放つ気配から本物を特定し、最大出力で光の矢を放った。
「゙マキシム・セイントアロー!!゙」
放たれた矢はズサリと腹部へと刺さる。勝った!!。そうホーネットマリオンは確信した。
しかし、勢いを減らすことすらなぐ修羅゙の如き形相を変えてはいなかった。そして、全てのサキはホーネットマリオンを軸に交差した。
サキが倒れ込むと、゙シャドー・アバター゙も姿を消した。自分にも目立った外傷はない。
「………ふふ……何もないじゃない………どうやら失敗したようね!」
「いえ…………大成功よ」
悲哀に満ちたような顔。というよりは、それすらも慈悲に満ちた顔に映るのはなぜだろうか?
「そんなハッタリは誰が信じ………」
腕がガタガタと震えている。何も受けてないし、起きてないというのに。
――ドクン――
「8方からの高速突進、及び交差によって衝撃波を生む。逃げ場なき悪夢…………゙デモンズ・ナイトメア゙に堕ちなさい」
――ドクン――
゙その時゙はすぐにやってきた。ホーネットマリオンを囲んでいた衝撃波は外部を貫通して内臓を破壊していく。
「……があああああっっっ…………」
口から血を吐き出し、ホーネットマリオンはその場に倒れた。もう動き出すことはない、そうわかっている。
104
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:32:57
「これは………!?」
周りは8人のサキがいた。全員同じ姿をしていて、ワルキューレを構えている。
「こればシャドー・アバター゙。私の血を媒介にしだ闇分身゙。これであなたは一撃で戦闘不能になるわ」
「ふん…………数が増えたところでオリジナルを下回るのはわかる」
「お姉ちゃん………私からの手向けよ………貫かずに眠らせてあげる…………」
一斉にホーネットマリオンへ向かって突進していく。ホーネットマリオンは実体が放つ気配から本物を特定し、最大出力で光の矢を放った。
「゙マキシム・セイントアロー!!゙」
放たれた矢はズサリと腹部へと刺さる。勝った!!。そうホーネットマリオンは確信した。
しかし、勢いを減らすことすらなぐ修羅゙の如き形相を変えてはいなかった。そして、全てのサキはホーネットマリオンを軸に交差した。
サキが倒れ込むと、゙シャドー・アバター゙も姿を消した。自分にも目立った外傷はない。
「………ふふ……何もないじゃない………どうやら失敗したようね!」
「いえ…………大成功よ」
悲哀に満ちたような顔。というよりは、それすらも慈悲に満ちた顔に映るのはなぜだろうか?
「そんなハッタリは誰が信じ………」
腕がガタガタと震えている。何も受けてないし、起きてないというのに。
――ドクン――
「8方からの高速突進、及び交差によって衝撃波を生む。逃げ場なき悪夢…………゙デモンズ・ナイトメア゙に堕ちなさい」
――ドクン――
゙その時゙はすぐにやってきた。ホーネットマリオンを囲んでいた衝撃波は外部を貫通して内臓を破壊していく。
「……があああああっっっ…………」
口から血を吐き出し、ホーネットマリオンはその場に倒れた。もう動き出すことはない、そうわかっている。
105
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:34:35
変身が解けていく。本当に力が無くなっていったのだろう。サキも横目で視ていたが、感情はただ真っ直ぐに紗耶を向いていた。
「お姉ちゃん………サヤ………紗耶お姉ちゃん!!」
さっきの最後だと、さっきのが最後だとわかってるのに。紗希の足は紗耶へと向けられていた。
駆け寄ったらすぐに抱きかかえる。涙など流しきったと思っていたが、やはり溢れてくる。
「馬鹿ね………。私のことは放っておいていいのに………」
既に崩れ去っている天井を透過して雨が降り注いでくる。激しい雨ではない、洗い流すような優しい雨である。
「ごめんね………助けられなくて………」
「気にしないで…………紗希。ソルジャードールの宿命は……私が………連れて行くから………」
震える手で紗希の頭を撫でる。さらりとした髪を紗耶は何度となく触る。
「あなたは髪を伸ばした方が似合うわ…………。私とは違う………あなたはあなたなのよ」
姉に憧れて同じにしていた。双子なのに、全部が全部紗耶のが上手であった。人望もある彼女はまさに自分が目標としていた。
並んで歩きたかった。紗耶と一緒に…………いつまでも。でも違うんだ。これからは野々村 紗希は1人で生きなくてはならない。
でも、自分ば独り゙じゃない。だから゙1人゙でも歩いていける。歩いていかなくてはならない。そるこそが紗希が紗希であるための方法だからである。
「紗希……あなたは生きてね………忘れないで………私がいたこと………」
「うん。約束………約束しよう…………。小さい頃みたいに………」
小指が重なり合う。これは紗耶と紗希の始まりであった。最初の約束ば2人はずっと仲良じであること。
喧嘩ばっかりですぐに破られてしまったが、どんな約束事よりも深く記憶に刻まれている。
106
:
ダイレン
:2008/07/23(水) 01:35:38
これは全ての始まりである。決して終わりじゃない。紗耶はニッコリと笑うと、指を交差させたまま消えた。
ただ空に指切りをしている紗希。残されたのは自分だけである。
けれど確かに紗耶を近くに感じる。自分がすべきことは紗耶の命を背負っていくことである。
けれど、今は泣かせてほしい。今、この瞬間だけは…………。
校庭に出ると数十体分のプペロイドの残骸があった。斃されてから時間はあるだろう。
「やっぱり………野々村さんだったのか」
残骸をはねのけてきたのは南 信彦だった。しかもこの光景に対しての疑問を持っていない。
「あなたがやったのね………やっぱり、あなたの正体を知りたいわ」
困った、という顔を信彦はした。業を煮やした紗希はビーマリオンに姿を変えて、瞬時に信彦の後ろを取った。
「!!?」
「答えないのなら……敵とみなすわ」
「…………わかったよ………」
信彦はその力を解放した。すると、サキは驚愕の余りに腕を下げてしまった。彼はあまりに゙正義の味方゙を名乗るのに相応しかった。
「わかってくれたかな?」
「ええ………まさか………あなたが………」
「貸してもらってるだけさ。僕自身はこの力に対応するための゙擬似改造人間゙だからね」
正体もわかったところで2人は話しを始めた。哀しいことがあったが、やらなくてはいけないものがあるのだ。
「世界各国のヘルマリオンと戦いながら調べててわかったことがあるんだ。ヘルマリオンの狙いば平和による世界支配゙だ」
「゙平和による世界支配゙?」
「彼らの描ぐシャングリラ゙のことらしい。詳しくは今からだけどね」
手伝えということだろう。紗希はそれを承諾し、信彦と共に各地のヘルマリオンアジトへと向かうのだった。
由美達もきっと力を高めようとしているだろう。だから、ここはあの子達に任せれる。きっとまま帰ってくると、紗希は晴れた空に思った。
つづく
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吸血鬼アンソロジー「吸血鬼譚-crimson eyes-」
/ 密林社
2012年末の冬コミでサークル「ふぇにどら!!」様が頒布したアンソロジーで、maledictは「吸血鬼マイウェイ」なる作品で参加させて頂きました。R18指定です。なお、全年齢向けの『吸血鬼譚-blue blood-』(http://www.amazon.co.jp/dp/B00AY1T2HW/)と二冊同時刊行です。
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