警告
この作品は<R-18>です。
18歳未満の方は
移動してください。
それから数分後、隠れているだけで何もすることがない霧音にとっては、倍以上にも思える時間が過ぎると、下から文都の声が聞こえてきた。
(文都が買い物から帰って来たんだ……)
下からの声と物音で、二人が何かをしている事だけは伝わり、やがて二人分の足音が階段を上り部屋へ入ってきた。
(二人が入って来た。あれ? 手を繋いでいる、いいな……けど、姉弟とはいえ家の中で手を繋いでいるってどうゆうこと?)
文都と綾芽ぐらいの年齢の姉弟が、手を繋ぐ所を見た記憶がない霧音にとって、それは不思議な光景に見えた。更に場所が自宅というのも理由が分からない。
(だけど、いいな……ああして、手を繋げて……私も……)
自分がしたくても出来ないことを、こうしてあっさり出来るのも姉弟だからなのかもしれない。そう思うと二人の関係を羨ましく想えた。
「この時間からって珍しいね」
「今日から連休だし、たまには良いでしょ?」
「僕は別に構わないよ」
会話はクローゼットの中に居てもよく聞こえて来た。二人が座るベッドから近いこともあるが、普通に会話をしているので聞き取りやすい。
(え、何のこと? 何かをするの?)
だが、二人が何をするのかが全く分からない。内容からすると何度かしたことがあるようだが、この部屋で何かをしているような痕跡は発見できない。
「ほら……文都、来て……」
ベッドに座る綾芽が両手を広げると、文都がその中に入り熱い抱擁が始まる。その姿はとても姉弟としての物には見えず、それこそ男女の関係としか思えない。そのあまりの光景に霧音は言葉を失いただ呆然とする。
「文都……はん、ちゅ……くちゅ、んぷ、んぐ、ちゅりゅ、くちゅ、くぷ、んんん……」
続いて始まったのは熱い口付け。それもただ唇と唇が合わさるだけの物ではなく、舌と舌が絡み合う深い口付けの音が、霧音の耳にも入る。
(あ、あ……な、なに、これ……文都と綾芽さんは姉弟なのに……なんで……)
初めて見るディープキスに霧音の動揺は治まらない。しかも二人は姉弟にもかかわらず、嫌らしい音と声が休むことなく発せられる。
(綾芽さん……なんで……どうして……)
事情を知らない文都はともかく、綾芽は自分がクローゼットに隠れていることを知っている。つまり、この行為を見せるためにワザとしていることは、霧音にも理解出来た。
「今日も一杯しようね、一杯出してね」
「うん、僕も一杯したいよ」
(す、するって何を? あ……ま、まさか……いや、でも……そんなことが……だって、姉弟なんだから……)
ディープキス以上の事となり、思い付く行為はある。だがそれは、姉弟でしてはいけない行為であり、あり得るはずがないことだ。
(そうよ……そんなこと……)
それはもう祈るような想いだった。キスまでなら、それが喩え深く恋人同士のような行為であっても、仲が良い姉弟と言うことで許されることだ。しかしそれ以上の一線は越えて欲しくないと願う。
二人とは幼なじみ。文都は大好きな男性、綾芽は大好きなお姉さん。姉弟の居ない霧音にとって二人は家族と同じような関係であり、文都とは将来は本当の家族になれたらと思っている。
「姉さん……はむ、くちゅりゅ。んん……やっぱり姉さんの胸は柔らかくていいよ、なんでこんなに吸っても飽きないんだろうね」
「私もね、文都に吸ってもらうの大好きだよ。なんかだんだん上手くなるよね」
「いろいろ試しているんだよ、乳首の根本あたりとか」
「うんうん。いろいろ試していいよ、姉さんの体をもっと知ってね」
だが霧音の願いは届かず、二人の行為は先へと進む。お互いが裸になり、文都は姉の乳房を赤ん坊のように吸い続ける。
二人の裸を最後に見たのは何時の事だろうか。大人になった二人の体は、男と女であり、細い体に大きな胸がある綾芽の体付きは、女性から見ても羨ましいほどだった。
「文都、もう準備良いわよ……入れて」
「いくよ、姉さん……」
(あ、ああぁぁぁ……そ、そんな……)
ついに二人は最後まで行こうとする。それはするとは信じたくないこと、有り得ないこと。だけど、現実は示してしまう。霧音の位置からは綾芽の頭が陰になり接合部分は見えないが、姉に覆い被さる文都の姿から、確実に一線を越えていることは、その行動からも分かる。
(そ、そんな……そんな……)
クローゼットの中で霧音は腰を落とす。それは信じられない光景であり、考えもしない光景。大好きな男性が大好きな女性とセックスをしている、それも姉弟でだ。
二人の喘ぎ声と接合部分からの、ネチャネチャと粘液が混ざり合う音がハッキリと耳に入る。
耳を塞いで聞きたくない思いはあるが、もはや腕にも力が入らす、だた呆然と聞き入る事しかできない。
こんな音など、耳の右から左へ素通りして欲しいと願っても、頭にしっかりと残される。残したくないのに、残されてしまう。それも始めて聞くだけ鮮明に記憶される。
「ん、ふぁあ、あ。文都のが私の気持ちがいい所を突いてくる」
「姉さんのは、僕のを気持ちよく締め付けてくるよ」
「だって、文都のが良いから……気持ちがいいだけじゃあない、愛してくれている気持ちも伝わるの」
(あ……う、こんな……ことって……)
二人が愛を語り、ベッドが軋む音が激しさを伝える。霧音は声を押し殺してながらも、ぼろぼろと涙を零す。
何故この様な所を綾芽が見せるのか理解できない。出来ることなら今すぐ飛び出して二人を問い質したい。しかし、あまりにも衝撃的な現実は、その行動力を奪うに十分な物だった。
「文都、座って抱っこしてくれる? もっと深くまで入るように」
「いいよ、姉さん。持ち上げるからね」
文都は繋がったまま姉を抱きかかえると、胡座をかいて座る。
クローゼットからは綾芽の背中と長い髪、そして今まで見えなかった二人の接合部分がハッキリと見えた。それはもう否定することが出来なくなる確固たる証だった。
「ん、あ、ああっ! ふ、深い……お、奥に届いているの……文都のが子宮を突くのぉ」
にゅちゃ、ねちゃ、ぐじゅ、ぐじゅ、ぐぎゅ……。
二人の体液が膣の中で混ざり合い真っ白になる。その音はあまりにも嫌らしく霧音には刺激が大きすぎた。
「う、ううぅ……えぐ……う……」
霧音は泣き続ける、もう見る気力もなく、ただ俯くだけ。その存在を示すことも出来る泣き声は、姉弟が交わる音でかき消される。
「ね、ねえ、文都。こんな事を誰かに知られたら大変だよね」
「だから、秘密なんだよね、このことは。両親や妹の礼那にも知られる訳にはいかない」
「そうなんだけどね。もしかしたら、知らせることの方が良いときもあると思うの」
「え?」
二人がしていることは、ただの姉弟愛を超えた物であり、嫌悪感を抱く者が居てもおかしくない行為なだけに、文都は直ぐに理解できない。
「ねえ。文都は霧音ちゃんの事をどう思っている?」
(……え、いま……わたしのなまえ……が……)
力無く俯く霧音だったが、自分の名前に反応し顔を上げる。
「どうって……幼なじみで、一番仲が良いよ」
「そうだよね、霧音ちゃんとは仲が良いよね、ずっと、昔からね」
そういいながら、綾芽は文都の顔を胸の間に埋める。それは女性という者を更に意識させる為に。
(そうか……文都は私をそう想っているんだ……一番仲が良いと……)
ただの幼なじみとしてしか想われていないと、不安になっていたが、『一番仲が良い』と言うからには、好意を持っている事に繋がるので、心に安堵が生まれた。
「それじゃあ、好き? 霧音ちゃんのこと」
「それは……」
文都の言葉が詰まる。自分は姉と夫婦の関係であるのに、他の女性に対して好意を持っていると言って良いものか迷う。だが、優しく胸で抱いてくれる相手に嘘は付けなかった。
「姉さんと同じぐらい好きだよ。だけど僕じゃあダメだよ、釣り合わないよ、霧音はあんなにしっかりしているのに、僕は引っ張られてなんとか隣に居るぐらいなんだから」
(……好き? 今、私の事を綾芽さんと同じぐらいって言った……よね?)
言葉は確かに伝わった。しかし、あまりにも信じられない事であり、今ひとつ現実味が出てこない
「……ん」
その時だった。綾芽が霧音のいるクローゼットに視線を送り頷いた。
(あ……本当のことなんだ……)
その合図で、やっと霧音は事実を受け入れる事が出来た。
「けど、僕はこうして姉さんを選んだから、も、もう……あ、うううわわぁぁ……」
「腰が震えているね、射精をする為にこんなに一生懸命になって……」
文都はまるで霧音のことを忘れてしまう想いで、姉の子宮を突く。これが自分で選んだ道であり、愛していることには変わりない。だから今は目の前の女性に集中した。
「うあああ、し、締まる……で、出る……」
「出して、びゅって! 中に、子宮に出してぇ!」
「うああぁぁぁ!!」
ビュクン! ビュクン! ビュクン!
二人の体が小刻みに震え、絶頂と同時に文都は射精をする。大量に出された精子は膣の僅かな隙間から溢れ出てきた。
(あれが……精子……)
射精の瞬間も、精子も霧音にとって初めて見る物だ。あれが子宮に入ると子供が出来る。それは愛の結晶というべきものだ。
「あ……う、うぐ。僕は……もう、決めたから……姉さんに……姉さんと夫婦になることを……」
文都は泣きながら絶頂を終える。悲しい行為をしてる訳ではないし、むしろ幸せな事をしている。だが、同じぐらい好きな人に、想いを伝えらない事実を、その身に受けて泣いてしまう。
「泣き止んで……姉さんはね弟を幸せにする為に居るんだからね……」
そう告げると、綾芽は膣からペニスを抜く。激しい行為で足腰に力が入らず、不安定なベッドで立つことは諦めて降りると、ふらつきながらクローゼット前まで歩く。
(霧音……さん……)
クローゼットの中で座る霧音は、全裸の綾芽を見上げる。その股からは精子が垂れ太股を伝わっていた。
「良かったわね」
その言葉と同時にクローゼットは開けられ、文都と霧音が対面する。
「「…………」」
予想できない展開に二人の頭は真っ白になる。文都は全裸にも関わらず体を隠そうという行動にすら移れない。
「それじゃあ、後は若い二人で……」
物語のお見合いシーンでよく聞く言葉を最後に、綾芽は部屋から出て行き、部屋には幼なじみ二人が残された。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。