ロシア隕石落下:湖氷上で採取の鉱物片は隕石の一部と断定
毎日新聞 2013年02月18日 07時21分(最終更新 02月18日 12時23分)
【チェリャビンスク(ロシア中部)田中洋之】ロシア科学アカデミー隕石(いんせき)委員会のビクトル・グロホフスキー委員は18日、ウラル地方チェリャビンスク州のチェバルクリ湖で見つかった鉱物片を隕石の一部と断定した。ロシア通信が伝えた。チェバルクリ湖ではウラル地方上空で隕石が爆発した15日、直径8メートルの穴が氷の上にでき、周辺に直径0.5〜1センチの黒い鉱物片が多数見つかっていた。今回の科学アカデミーによる鑑定結果で、湖に隕石が落下したことが正式に確認された。
グロホフスキー委員によると、ウラル連邦大学(エカテリンブルク市)の研究施設に持ち込まれた53の鉱物片を鑑定したところ、全てから鉄分、かんらん石、亜硫酸塩など隕石特有のものが確認された。隕石として国際登録する場合、見つかった場所にちなんで「チェバルクリ隕石」と命名するという。
チェリャビンスク州上空で爆発した隕石は、七つほどの塊に分散したとみられており、落下地点が特定できたのはチェバルクリ湖が初めて。州内では他にも隕石落下の目撃情報が複数あり、ロシア当局は確認作業を進めている。
チェバルクリ湖はチェリャビンスク州の州都チェリャビンスクの西方約80キロのチェバルクリ市(人口約4万3000人)にあり、南北約5キロ、東西約4キロの大きさ。冬季の現在は表面が完全に凍結している。落下場所の水中調査では今のところ隕石は発見されていない。湖は周辺住民の飲料水として使われているが、放射線量は正常値にとどまっているという。