東日本大震災で東京都町田市のスーパー「コストコ多摩境店」の立体駐車場のスロープが崩落し2人が死亡、8人が重軽傷を負った事故で、警視庁捜査1課は設計や構造計算のミスがあり、強度が不足していたとして、設計に関わった1級建築士4人を業務上過失致死傷容疑で8日に書類送検する方針を固めた。大震災の建物崩落事故で、建物の構造を巡る刑事責任を問うのは初めて。
捜査関係者によると、書類送検されるのは、耐震強度を確かめる構造計算を担当した石川県の1級建築士(66)や、設計と工事監理を担当した東京都港区の建築設計会社社長(71)ら。
捜査1課は、建物本体とスロープ部分の構造が違ったため双方の揺れ方が大きく異なり、接合部が破断したことが事故の原因と判断した。
同店は2002年1月、町田市から建築確認を受けた直後の同2月に設計を変更。当初は本体とスロープのいずれも骨組みに筋交いのある構造を採用していたが、本体のみ筋交いのない構造に変更された。変更直前に構造計算の担当者が石川県の建築士に代わった。
捜査1課は設計変更後の石川県の建築士の構造計算のミスがあり、構造計算を引き継いだ担当者間の情報交換が不十分だったことや、設計全体に責任を負う立場の港区の建築設計会社社長がミスを見逃したことが事故につながったとみている。
石川県の建築士は日本経済新聞の取材に対し「工期を早めたい施主側の意向に基づいて設計した。構造計算に問題はなかった」と説明している。
同店では11年3月11日、店舗と屋上の駐車場をつなぐ鉄骨製スロープが耐震基準以下の震度5弱程度の揺れで崩落。真下を走行中の車3台が下敷きになった。うち、1台に乗っていた川崎市麻生区の男性(当時74)と妻(同66)が死亡するなどした。
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