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最終更新:2013年3月10日(日) 13時34分

中国、国家海洋局の権限拡大へ

 尖閣諸島周辺への海洋監視船の派遣を強化している中国の国家海洋局の権限が拡大されることになりました。複数の部門に分散していた海洋管理の権限を集中させ、体制を強化することで日本に対する圧力を強める狙いがあるものとみられます。

 これは中国の国会にあたる全人代=全国人民代表大会で中国政府が10日に提示した機構改革案で明らかになったものです。

 それによりますと、尖閣諸島周辺の日本の領海への侵入を繰り返す海洋監視船が所属する国家海洋局に、漁業監視船を持つ農業省の漁業局や公安省の関連部門などを統合します。これによって国家海洋局の権限が拡大されることになります。また、ハイレベルでの調整機関「国家海洋委員会」を新たに設置するとしています。

 海洋管理の体制を強化することで、尖閣諸島をめぐって日本に対する圧力を強める狙いがあるとみられます。

 「現在の海上での法執行の力は分散していて、重複が目立つ。法執行の効率が高くなく、権益維持の能力が不足している。海洋資源の保護、合理的利用を強化し、国家海洋権益を守るため海上での法執行の力を統合する必要がある」(馬凱 国務委員)

 また、改革案には、おととし起きた高速鉄道の事故で強い批判を浴びた鉄道省を解体し、鉄道の行政部門を「国家鉄道局」として交通運輸省に移管するほか、運行部門を担う「中国鉄道会社」を新たに設置することも盛り込まれています。(10日13:15)