エジプト 判決に反発し暴動起きる

3月10日 7時6分

エジプトでは、去年起きたサッカーの試合での暴動事件を巡って、裁判所がサポーターに死刑、警察官に無罪を言い渡したことに反発が広がり、警察の施設が放火されるなど、混乱が拡大しています。

エジプトでは、去年２月、北部のポートサイドでサッカーの試合が行われた際、サポーターどうしが衝突して７０人以上が死亡し、衝突に関わったサポーターや警察官が起訴されました。
カイロの裁判所は９日、１月に出された判決について改めて審理を行い、サポーター２１人に死刑、暴動を止められなかったとして起訴されていた警察官７人に無罪を言い渡しました。
この判決に怒った人たちが、首都カイロの警察関連施設やサッカー協会本部などに相次いで放火したほか、治安部隊と衝突し、保健省によりますと、これまでに２人が死亡し、２７人がけがをしたということです。
暴動はほかの都市にも拡大しているもようで、エジプト政府は軍の部隊も配置して事態の鎮静化に当たっています。
エジプトでは、ムバラク前政権が退陣したおととしの政変以降、政治的な対立からデモや衝突が繰り返されていることから、エジプト政府は、政権批判のデモと連動して混乱がさらに拡大する可能性もあるとみて、警戒を強めています。