診断時にはネット依存度テスト、血液検査、体力測定、骨密度検査、脳のMRI検査、心理テストといった検査で、身体的、精神的な影響も総合的に評価する。
ネット依存症の多くは、本人が依存症であることに気づいていない。そのため治療は、患者本人が依存度を自覚することから始まる。医師と臨床心理士などによるカウンセリングや診療と並行して、毎日自分の行動を記録していくうち、いかにネット漬けの生活をしていたか気づく人も多いそうだ。
「ネット依存症には子供から大人まで誰でもなり得る。スマホやアイパッドなど小型機器の普及でいつでもネットとつながれる環境が整い、今後さらに依存症が増える可能性が高い」と樋口院長。まずは下のネット依存度をチェックし、「6つの心得」を参考に予防を心がけたい。
~自分と家族のネット依存を予防する6つの心得~
1.ネット(携帯電話、スマートフォン、ゲーム機も含む)依存には誰でもなり得ることを知っておく
2.ネットの使用は時間を決めて最小限に
3.ネット以外に熱中できるものや人生の目標を見つけておく
4.もしや?と思ったら、すぐに専門家に相談。早期発見、早期治療が重症化を防ぐ
5.オンライン機器の購入やネットの使用時間の長さを、成績アップなど子供との取り引きの材料にしない
6.子供がネットの使用制限に反抗しても、毅然とした態度で臨み、ネット依存の怖さをきちんと伝えておく
(樋口院長の取材をもとに編集部作成)
この人に聞きました
樋口進さん
国立病院機構久里浜医療センター院長。1979年東北大学医学部卒。米国立保健研究所留学、国立療養所久里浜病院臨床研究部長などを経て現職。アルコールパッチテストの考案者。
(ライター 福島安紀)
[日経ヘルス2013年4月号の記事を基に再構成]
ネット依存症、オンラインゲーム、国立病院機構久里浜医療センター、ネット依存
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