Illustration/高橋カオリ
住宅ローン金利の主な種類としては、借入れ時の金利が完済時まで変わらない「固定金利」と、市場の金利と連動して金利が変わる「変動金利」がある。このうち固定金利には、さらに「全期間固定金利型」と、最初の一定期間が固定で期間終了後どちらかを選択できる、「固定金利期間選択型」の2種類に分かれる。
実際にローンを組むとしたら、固定金利と変動金利のどちらがいいのだろう? 3つのポイントでそれぞれの金利を比較してみよう。
固定金利、変動金利それぞれにメリットとデメリットがあるが、一番気になるのは「どちらが返済額を抑えられるのか」ということ。今後も利率が変わらないのであれば、優遇利率も高い変動金利のほうに分があるだろう。ただし変動金利は市況変化にともなう上昇も想定しなくてはならず、購入者も意見していたように、返せるうちに繰り上げ返済していくことが重要だ。反対に専業主婦世帯などであれば、安定性を重視して固定金利を選んでもいいだろう。いずれにせよライフスタイルや金銭観などを総合して、自分に合ったローンを組むことが大切だ。
「金利利率は、今後の景況の見通しに連動して先に固定金利が動き、その後変動金利も見直されるのが一般的です。実は最近、固定金利が少し上がりました。近い将来、景気が回復してくれば変動金利も利上げされる可能性があります。とはいえ、今なら大手都市銀行の変動金利は2.475%というのが一般的で、ここから優遇金利の1.5%を引くと、なんと0.975%という低さになる。仮に35年ローンとした場合、6~35年後の優遇金利を除いた平均利率が5.56%を超えない限り、総返済額が固定金利(フラット35:金利3.3%で試算)を上回ることはありません。これほどの高金利が30年も続くとは考えにくいですよね。ただし今後、景気が回復していけば利上げに転じるのはほぼ確実なので、低金利である今のうちに積極的に繰り上げ返済できる見通しが立つのであれば、変動金利をオススメします」
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※本特集の内容は2009年4月23日現在のものです。