それとは別に一応の裏付けはあります。
関特演の補給を担当する関東軍司令部第三課の課長だった原善四郎中佐が八十五万人の将兵へどれくらいの従軍慰安婦を動員すればよいかを算出し て二万人という数を報告したことが知られています。
慰安所が日本軍全体に行き渡っていたことは明らかですから、兵隊四十人に一人の慰安婦というこのときの算定基準を15年戦争の期間中に動員し た将兵数300万にあてはめると、連行された全従軍慰安婦はほぼ九万人という数字が出てきます。
慰安婦が勤続15年とは考えられないので、途中で交替があったとすれば大体20万人くらいが慰安婦になった人の総数だろうと言うことになります。 きしくも荒船発言と一致した数値です。
慰安婦数の推計は秦邦彦氏なども行っており、国内の職業統計を根拠に2万人と言う一桁少ない数値を出していますが、 「実人数」と「延べ人数」の混同と言う誤りをおかしており、秦氏が仮定する「月一回の利用」で秦方式の計算を やりなおすと19.2万人と言う数値が出て、これまた荒船発言と一致します。
20万人という数値に信憑性があるわけではないのですが、いずれにしても相当な人数だったことはまちがいありません。