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   県内の学校給食/検査を尽くし県産品活用を(2月27日付)

 県内の学校給食の2012(平成24)年度の県産食材活用率は18.3%で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の前のほぼ半分まで落ち込んでいることが県教委の調査で分かった。

 震災前は、地元の食材を地元で消費する「地産地消」が学校教育にも取り入れられ、子どもたちの理解も深まり軌道に乗っていただけに、活用率の低下は残念でならない。原発事故による放射性物質の影響が背景にあるのは明白だ。

 不安が払拭(ふっしょく)できない中で、県産品の活用率を上げるのは簡単ではないだろう。ただ、生産者は風評被害とも闘いながら必死で頑張っている。しっかりと食材の検査を尽くし、保護者にも説明しながら県産食材の活用を図ってほしい。

 県教委の調査によると、10年度の県産食材活用率は36.1%で、近年はおおむね35%前後で推移し、全国的にも比較的高い水準だった。

 本年度の調査結果を食材ごとに見ると、全袋検査が行われているコメなど穀類は49・5%で最高だ。何より検査が重要であることを証明している。

 県教委は、給食を調理している小中学校、共同調理場などを対象に前期(6月)と後期(11月)の2回、県産食材の活用率を調査している。

 震災後の2年間で半分に落ち込んだものの、本年度の後期の活用率は20・1%まで回復し、前期を3・5ポイント上回った。給食を提供する各市町村などによる放射性物質の検査体制を整える取り組みが数字に表れているのだろう。

 県は新年度、県産食材を給食に使う市町村に食材購入費を補助する。食材のルーツについての周知も図るという。子どもたちに、自分たちが食べる給食がどこで取れたものかを教え、食を支えている人たちに感謝する気持ちを育みながら「地産地消」の推進に努めてほしい。

 一方、県教委は授業参観などで保護者に県産食材を使った給食メニューを紹介したり、食材の放射性物質の検査体制を見てもらう事業を始める。安心して子どもに学校給食を食べさせることができるためには、不可欠な取り組みといえるだろう。

 県教委によると、各市町村などが行っている学校給食の安全性の検査は、測定値を極めて厳しい基準にしているという。ならば苦境を逆手に取り、一番安心して食べることができると胸を張れる給食づくりを目指してほしい。

 長期間を覚悟せざるを得ない復興に向けては、将来を担う子どもたちの力が必要だ。子どもの健康を心配して県外で避難生活をしている県民も多い。正確な情報を発信し、特に学校教育の現場では、安全で安心して学びと食、遊びを楽しめる環境づくりに一層力を入れてもらいたい。

 
   
 

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