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どないする?京都(7完)2012年01月20日
特別自治市構想 都道府県から権限の一部を移譲されている政令指定市。京都市は全国に19あるうちの一つだ。政策を素早く実行できるとされる一方、都道府県との間で非効率な「二重行政」が生じるとの指摘もある。 大都市制度のあり方が問われた昨年11月の大阪ダブル選。地域政党「大阪維新の会」は、大阪市と堺市を解体して大阪府が権限を吸収するという「大阪都構想」を掲げて圧勝し、その実現に向けて動き始めた。 一方、京都府と京都市は「府市協調」をうたい、中小企業への融資制度の一体化などを進めてきた。門川大作市長は「大阪とは違うやり方で二重行政を打破する」と表明している。 そんな門川氏は、政令指定市を都道府県から独立させる「特別自治市構想」を描く。指定都市市長会が2年前に提案したもので、副会長の門川氏は「今の制度では大都市に責任と権限に見合った財源が保障されず不十分」と訴えてきた。 これには山田啓二知事が「京都府が地理的に分断される」と疑問を投げかける。市長選で対立候補となる中村和雄氏も反対し、「京都市に税も機能も集中すれば、京都全体が機能不全に陥る」との考えだ。 ■賛成 政策一元化で便利に■ 同志社大大学院教授 新川 達郎さん(61) 大都市制度改革が持ち上がった背景には、人口減少社会の到来があります。大都市では今後、高齢者の人口が一気に増え、福祉や医療、教育政策をひとまとめにして変えていかなければ都市機能が維持できなくなる。指定都市市長会が特別自治市構想を掲げるのも、これらを一元的に展開したいからでしょう。 特別自治市が誕生すると、府県が権限を握る都市計画の決定や病院・薬局の設置許可が委ねられ、ハローワークの業務など雇用政策も独自にできるようになる。警察行政も担う。府県全体で優先度を決めていた信号機や横断歩道の設置は特別自治市だけで判断できる。運転免許証の更新も、区役所の窓口でできるようになるかもしれません。 特別自治市の市民が納めた税金は原則、市民だけのために使われる。人口の6割近くが京都市に集中する府は府税収入が激減することになるが、その分、国からの地方交付税を市町村に振り向ければ財政的な問題は解決できるでしょう。 今回の市長選で有権者に選択を迫るほどの争点にはならなくても、遠からず京都の未来を左右する重大なテーマになることは間違いありません。 ◇にいかわ・たつろう◇ 専攻は地方自治論。東北大大学院助教授などを経て1999年から現職。現在、関西広域連合協議会副会長、京都府府民力推進会議委員。 ■反対 府の南北分断まねく■ 立命館大教授 村上 弘さん(57) 政令指定市は大都市を一体的に運営する制度であり、広域的な政策能力も高い。京都市の11区を見ても、きめ細かい住民サービスを提供していると思います。京都府から独立しないからこそ、お互い協力できるという長所もあります。 そんな政令指定市のメリットを捨ててしまう「大阪都構想」は、大都市の地域主権を否定するものです。これと対極にあるのが、府県から独立しようという「特別自治市構想」です。しかし、これが京都で実行されれば、府内が南北に分断されてしまい、府は京都市内に施設を置いたり徴税したりできなくなります。 府と市が似通った施設を別々に持つ「二重行政」の問題が指摘されます。でも例えば、私鉄や百貨店は大都市に複数あり、競争しながらも共存して機能を分かち合っている。府と市が複数の図書館や体育館を運営していても、それぞれ利便性が評価されるなら良いことではないでしょうか。 政令指定市にも改善すべき点はあります。例えば、成長戦略なんかは府と市が一緒につくればいい。まずは双方が常設の機関を設け、じっくり話し合えば今の制度のままで解決できる問題だと思います。 ◇むらかみ・ひろし◇ 専攻は行政学・地方自治論。1983年、京都大大学院法学研究科修了。法学博士。共著に「大阪都構想Q&Aと資料」(公人社)
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