一部ユーザーを相手にした実験を試みるのはかまわない。しかし、Google検索の本番をめちゃくちゃにされるのは非常に迷惑だ。連中、いったいなぜこんなことを始めたのか?
Googleの全体での検索シェアは今年に入ってさらに大きく増加している。(Googleは創立以来連続してシェアをアップさせ続けてきたのだが)。検索広告市場での売り上げ高のシェアとなるとさらに高いはずだ。
にもかかわらず、今日(米国時間11/21)、Googleは「検索をさらに対話的かつソーシャルにする」と称する新機能をローンチした。われわれは今やTechCrunchの検索結果に(いや、もちろん、その他ありとあらゆる検索結果)にコメントを書き、他人のコメントを読み、さらにそのコメントに「良い/悪い」という評価を加えることができるようになった。(下のサンプルでそのバカげた有様をご覧いただきたい。コメントに対する評価は私が付加したもの)。 ユーザーはまた検索結果の順序を変えることができる。(上下に動かすだけでなく、ページからすっかり外すこともできる)。さらに、Googleの検索結果にユーザーが独自にURLを加えることもできる。
「模倣は賞賛の一種」であるとするなら、GoogleはWikia Searchに最高の賞賛を送ったことになる。ほとんどの機能をコピーしたのだ。
で、Googleはいったいなぜこんなことを始めたのか?
ブログ記事によると、Googleは「ユーザーが検索結果をカスタマイズし、(コメントを通じて)その結果を共有できる手段を提供した」のだという。Googleは「これは検索の使い勝手を向上させ、日常生活での検索の有用性をさらに高めるツールとなる」としている。
しかしGoogleの検索は現状で不都合はない。実際、Google検索はインターネットの中で不都合なく機能しているわずかな例のひとつだ。私はGoogleの検索が気に入っているし、Google検索を利用している全インターネットの62%のユーザーもそう考えているはずだ。ところが新機能はページ中にわけのわからない矢印と荒しのコメントの山を築くだけだ。検索の使い勝手の改善には断じてなっていない。こんなバカげたことがいつまでも続くようなら、みんな他の検索エンジンに逃げ出してしまうだろう。
私の推測では、Googleはこの新機能でユーザーから取り込んだデータを、何らかの方法で検索の精度改善に生かしたいと考えているはずだ。だからGoogleがブログで「この機能を利用して検索結果をカスタマイズしても、影響はそのユーザー本人だけに限られます」と言っているのは半面の真実にすぎないと思う。こうして集めたデータは必ずや何らかの方法で利用され、今後のGoogle検索に影響を及ぼすはずだ。
最悪なのは、この機能をいったんオンにしてしまうと、2度とオフにできないらしい点だ。ひとたび「Yes, continue」ボタンをクリックしてしまうと、もう引き返しはできない。私が調べた限りでは、そんな雑音なしてきちんと機能していた古き良きGoogleに戻す方法はない。
Google―頼むから、 Livelyを復活させて、この忌々しいしろものを止めにしてくれ。
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(翻訳:Namekawa, U)