PM2・5:「汚い黄砂」ご注意 九州・山口9日も飛来予想

2013年03月09日

 気象庁は8日、九州・山口地方で今年初めて黄砂を観測したと発表した。専門家は今回飛来した黄砂には大気汚染物質の微小粒子状物質「PM2・5」が付着するなどして一緒に飛来していると指摘。「過度な不安は必要ないが、花粉症などアレルギー疾患のある人や呼吸器疾患のある人は、外出時にマスクをかけたり、帰宅後はうがいするなど対応してほしい」と呼びかけている。

 気象庁によると、九州・山口地方では、8日午後2時の山口県下関地方に始まり、夕方にかけて福岡、熊本、佐賀、宮崎、鹿児島などほとんどの地域で黄砂を観測した。飛来は9日から10日にかけても予想されている。

 黄砂の飛来と共に、熊本県荒尾市では、午前8時に79マイクログラム、同9時に77マイクログラムのPM2・5を観測。体育の授業を体育館で実施する学校が多く、全校児童参加の6年生お別れ遠足を中止した学校もあった。

 山口県はPM2・5の濃度が国の暫定指針(1日平均大気1立方メートル当たり70マイクログラム)を超えるとみて、下関市など県西部3市に外出自粛などの注意喚起をした。福岡市はPM2・5が1日平均大気1立方メートル当たり42マイクログラムになると予測。福岡県大牟田市では午前10時にPM2・5の濃度が参考値で最高78マイクログラムに。同市内で遠足をした小学校では全児童にマスク着用を義務付け、ぜんそくの持病がある児童は車で送迎した。

 福岡市などによると、偏西風によって中国大陸から運ばれてくる黄砂にはPM2・5が付着したり、黄砂の粒径が小さいものも含まれるため、PM2・5の濃度が上昇しやすくなるという。

 黄砂とアレルギー症状について研究している大分県立看護科学大の市瀬孝道教授(環境毒性学)によると、黄砂には、PM2・5に含まれる小さな大気汚染物質が付着した「汚い黄砂」と、大気汚染物質がほとんど付着していない「きれいな黄砂」がある。

 8日に飛来した黄砂は、大陸の砂漠で発生した黄砂が、時間をかけて飛来したため、大気中の汚染物質や微生物が多く付着している恐れがあるという。同じ濃度の汚い黄砂ときれいな黄砂を比べると、汚い黄砂の方がアレルギー炎症反応を悪化させることが動物実験でわかっている。

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