練習中に指示を送るストイコビッチ監督=トヨタスポーツセンターで(木村尚公撮影)
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名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(48)が8日、大幅なてこ入れに動いた。9日のJリーグ2節浦和戦(埼玉)に備えた練習では開幕戦の先発メンバーから4人を入れ替え、システムも「3−4−3」から「4−2−3−1」に改めた。開幕2戦目にして大改造を施し、敵地で白星を狙う。
ピクシーが早くも激しくタクトを振るった。浦和戦を想定した練習でのレギュラー組メンバーは、引き分けに終わった開幕の磐田戦からは大きく変わっていた。故障のDF闘莉王をはじめ、FW玉田、MF田口、DF牟田の4人が外れ、代わりにMF小川、中村、DF増川、阿部が入った。
「重要なのは100%の力を試合に注ぐことだが、開幕戦では何人かがきちんと力を出していなかった。あのパフォーマンスは受け入れられない。新しい形を作らないといけない」。ストイコビッチ監督は怒りをにじませながら、入れ替えの理由を説明した。
新たに先発起用される見通しの4人は労をいとわないハードワーカーぞろい。特にひざの手術で昨季後半を棒に振ったMF中村は、昨年5月6日の川崎F戦以来、10カ月ぶりの公式戦になる。ピクシーは「中村には経験があり、『戦う心』を持った選手だ」とハードなプレーに期待する。
敵地での浦和戦ではボールを支配される試合展開も予想される。ピクシーは「重要なことは失点しないこと。闘莉王がいないなら、元のスタイルに戻すのが正統だ」と説明。ベテラン4人の起用と、3バックから4バックへの回帰には、守備を安定させるという狙いもありそうだ。
問題はキャンプで手付かずだった4バックの熟成度だが、増川は「どんなシステムでも、自分の役割を果たすこと」と目の前の仕事に集中する構え。攻撃的MFに入る小川も「今のポジションの方が自分の特徴は出しやすい」と歓迎している。難敵・浦和を相手に、ピクシーの思い切った采配が吉と出るか。 (木村尚公)
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